【災害】台風続報、防災相が「積極的避難」を発表、台風27号接近にともない
古屋圭司防災担当相は24日昼、勢いの強い台風27号の接近をうけ、「積極的避難」を呼びかける異例の緊急記者会見を行いました。住民への避難勧告は通常、市町村が担当しており、政府が直接呼びかけるのは異例の事態です。台風26号が伊豆大島に被害をもたらした際、自治体の勧告に住民が従わなかったり、周知が十分でなかったりしたケースがあったためのようです。
古屋氏は「雨や土砂災害の正確な予測は困難。警報や土砂災害警戒情報が出た時は、避難勧告がなくても自分の判断で避難し、結果的に災害が発生しなければよかったと思ってほしい」と話した。
(毎日新聞)
古屋防災相はこのように、危険を感じたら避難勧告がなくても地震の判断で避難する「積極的避難」を呼びかけました。結果的に災害が発生しなくても、気象庁が推奨する「いのちを守る行動」をとることを重視しています。
今年はとくに大雨被害が多く、各地で被害が出ています。
- 【災害】滋賀県、京都府、福井県に運用開始後初の特別警報発表(9月16日)
- 【災害】山口と島根で「経験したことのない大雨」、気象庁が最大級の警戒呼びかけ(7月29日)
- 【災害】東急東横線が落雷でストップ、ゲリラ豪雨で都心の交通に乱れ(7月23日)
9月の関西、7月の島根と首都圏での大雨被害はこのブログでも取り上げました。その他にもさまざま大雨による被害が各地で報じられており、また台風も数多く接近しているとあって、どうやら今年は水害の当たり年のようです。みなさまにはぜひとも、お気をつけいただきたいところです。
とはいえ、今回防災相が発表した「積極的避難」がどこまで活用されるのか、疑問が残る所ではあります。
10月半ばに首都圏に接近した台風26号の影響で出勤困難、帰宅困難になった方が多くいらっしゃったようですが、そんななか、会社の一室に段ボールを敷いた仮眠室を用意した企業の対応が話題となりました。
「日勤終わってました。「明日台風で交通機関麻痺するけどこんだけ報道で予告してるから遅刻したら始末書だぞー。出来れば会社泊まってけー」の一言で用意された仮眠場。
(えび速“(ブラック企業) 台風で遅刻したら「始末書」、会社が用意した仮眠室がひどい・・・法的には「安全配慮義務違反」の可能性、社畜の名言も炸裂”)
また、「台風を理由に会社を休めますか?」という質問に対し、こんな回答がでたことも話題となりました。
電車が遅れそうな場合は、いつもより早め(極端な場合始発でも)に行っているくらいの気構えを持っていた方が良いでしょう。会社の先輩なんてものは、些細なことで評価もすれば批判もします。新人の内から「手を抜く奴だ」と見られてしまったら、その後に何をやっても無駄になります。逆に「頑張る奴だ」と思われたら、その後も結構可愛がってもらえるでしょう。まあ、くれぐれも気をつけて頑張って「這ってでも」会社に行くべし。
このように、「どんな状況でもとにかく会社に行くこと」を良しとする考え方が蔓延していては、どんなに危険な状況にあっても「積極的避難」はやりづらいのではないでしょうか。自分の身の安全よりも「会社に尽くすこと」がはたしてここまで至上命題のようにならなければならない理由が私にはわかりません。ただ、残念ながらこれが日本における企業と会社員との関係のようです。
幸い、私が以前勤めていた会社は良心的で、台風接近の折りには早めの帰宅がすぐに許される環境でした。もちろん、「残りの仕事は後日がんばって取り返すように」と言われましたが、台風のさなかで身を危険にさらすよりはずっと賢明な判断だったと思います。むしろ帰らない社員の方が「リスク管理がなっていない」として評価が下がった、と聞いています。
それぞれ事情があるかとは思いますが、どうぞお気をつけて、ご自身が「正しい」と思える判断をなさってくださいね。
※天気図を見たところ、27号は当初予想されていた進路からやや東にずれていっているようです。昨日とりあげた「藤原の効果」の影響か、27号よりも勢力の強い28号に引き寄せられているような動きです。もしかしたら直撃は避けられるのかもしれません。とはいえ、今後の気象情報にはどうぞご注意ください。
【ニュースソース】
台風27号接近で防災相が緊急会見、異例の「積極的避難」呼びかけ
MSN産経ニュース
防災相、異例の呼び掛けへ
ロイター
「ためらわず避難を」と防災相 台風接近で異例の呼び掛け
47NEWS
積極的に避難を=台風27号接近で呼び掛け-古屋防災担当相
時事通信
古屋防災相、早めの避難を呼びかけ 「空振り恐れずに」
朝日新聞