【国際】中国が東シナ海に新ガス田開発、日中間の溝ふかまる
菅義偉官房長官が3日午前の記者会見で、中国が東シナ海の日中の中間線付近で大型海上クレーン船を使い新しい海洋プラットフォームを建設中であることを明らかにしました。
「日中双方の主張が重複する海域で、中国が一方的に開発を進めることは認められず、開発を進めているならば受け入れられない。中国側には重大な懸念を伝えた」(ZAKZAK)
菅官房長官は会見で中国に対し抗議した旨を述べています。
東シナ海のガス田開発については2008年6月の日中合意で、東シナ海の翌檜(あすなろ 中国名・龍井)付近については共同開発することとしたものの、それ以外の海域の取り扱いについては、継続して協議することになっている。
(地震予測検証 / 防災情報 ハザードラボ)
東シナ海にある日中境界線付近での開発は本来、合意の上で行われるものとしています。しかし中国側は反発、「中国は、自らの管轄海域の範囲内で開発に活動を行っている。誰にも批判される筋合いはない」(NHK)としています。
問題となっているガス田は両国の排他的経済水域内にあり、日本はその権益の範囲を、現在国際的に一般的な日中中間線とするのに対し、中国は1970年代頃までの国際法上の解釈に基づく大陸棚の先端沖縄トラフまでを主張している。
こうした排他的経済水域に関わる問題は、国連海洋法条約において「関係国の合意到達の努力」に委ねられているが、解決が見られない場合は調停を要請できる。それでも解決が見られない場合は各裁判所に要請する事ができる。当条約は平和的解決を要求しているが、条文には強制力がないため、関係国がこれに応じない場合調停や裁判所での解決ができない。日本・中国共に国連海洋法条約に批准しており、日本は国際司法裁判所や国際海洋法裁判所に付託する事を中国に要請しているが、中国はこれに応じていない。
Wikipediaにある通り、日中中間線は日本と中国がそれぞれ主張する排他的経済水域の重なる地点にあります。国連海洋法条約では関係国による合意形成を求めており、それがかなわない場合には調停を行うとしています。しかし、中国は一方的な開発を進めており、また条約には強制力がないせいもあって、日本側の対応が遅れている状態です。
日本政府は外交ルートを通じて抗議したが、中国側の返答はないという。沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立が続く日中関係に新たな火種が加わった形だ。
(時事通信)
時事通信が伝えるように、尖閣諸島、沖縄の領有権問題に加え、新たに一方的なガス田開発と対立の要因が増えた形となりました。日中の対立はますますふかまる様相を呈しています。
【ニュースソース】
日本、中国による東シナ海ガス開発に憂慮
VOR ロシアの声
中国が東シナ海の未決着海域で新たなガス田開発
地震予測検証 / 防災情報 ハザードラボ
中国また暴挙! 東シナ海で新たなガス田開発 菅長官「重大な懸念」
ZAKZAK
東シナ海の中国ガス田開発 菅官房長官「重大な懸念伝えた」
J-CASTニュース
中国が東シナ海にガス田新施設、政府が懸念伝える
TBS News
中国 が 東シナ海 新 ガス 採掘 施設 日本 認め られ ない
テレビ朝日
東シナ海に中国ガス田開発か、政府「懸念」 (東京都)
日テレNEWS24
中国新ガス田開発 中国側、日本の抗議受け入れられないと反発
FNN
中国新ガス田開発 菅官房長官、中国政府に「重大な懸念伝えた」
FNN
“抗議受け入れない”ガス田開発で中国反論
日テレNEWS24
中国が新たな施設建設 東シナ海の中間線付近 菅長官「重大な懸念」
MSN産経ニュース
中国が新ガス田施設建設 東シナ海の日中中間線付近
47NEWS
中国、東シナ海に新施設か=日本政府「重大懸念」伝える
時事通信