【社会】シェールガス投資詐欺で14名逮捕
先日、アメリカが日本へのシェールガス輸出を認可したとのニュースが報じられましたが、今度はシェールガスを巡る投資詐欺のニュースです。
埼玉、岐阜、和歌山の3県警は29日、シェールガスへの投資を持ちかけ現金をだまし取ったとして14名が逮捕されました。逮捕されたのは東京・葛飾区の松本靖弘容疑者ら14名。ことし1月に和歌山県の67歳女性にシェールガス採掘事業への投資を持ちかけ現金670万円をだましとった疑いです。
埼玉県警は、松本容疑者らが同様の手口で北海道、埼玉、岐阜、愛知、大阪、熊本、大分など全国の20人以上から数億円をだまし取ったとみて裏付けを進めている。14人の大半は暴力団組員で、組織の資金源となっていた可能性があるという。(47News)
シェールガスをめぐっては、投資を持ち掛ける勧誘が各地で相次ぎ、国民生活センターなどが注意を呼び掛けていた。(日経新聞)
すでに全国でシェールガス投資詐欺の被害が出ているようです。日経新聞が報じているように、国民生活センターが注意を呼びかけるほど、詐欺的な色合いの強い投資話があちこちできかれるようになってきているのでしょう。こうした新技術には投資詐欺がつきもののようです。
私の付き合いのある証券会社からもシェールガス関連の投資案件が持ち込まれましたが、正直な所、シェールガスへの投資は筋が悪いと思っています。その理由は18日の記事にも描きました。
シェールの生産の問題点はホリゾンタル・ドリリングやフラッキングを実施するためには何度も縦鉱をセメントで固め、ドリルを交換し、パーフィング・ガンを降ろし、特殊液を注入し、それを汲み出すなど、とかく手間がかかるという点です。そのステップのひとつでも横着をして省略すると、効率良く生産できないのです。手間のかかる、ハイ・メンテナンスなガス田だと言って良いでしょう。その結果、操業コストはどうしても高くなってしまいます。
また「喰い散らかし」された残り物の天然ガス田を開発するわけですから、それぞれの鉱区のスケールは小さいです。つまり折角、上に書いたように手間暇かけて生産しても、すぐに枯渇するということです。
確かに従来採掘できなかった天然ガスを採掘できるようになったのはすごいことですが、それにかかるコストが本当に見合うのか、という観点からすると、難しいのではないかと思っています。もちろん、エネルギー政策の観点からすればシェールガスの輸入は日本側の産油国への牽制という意味で価値がありますが、投資の観点からすると、「あまり筋のよくない」技術に投資をするのはどうかと思うのです。
【ニュースソース】
シェールガス投資詐欺容疑 14人逮捕、被害数億円か
47NEWS
シェールガス投資詐欺容疑で14人逮捕 被害数億円か
日本経済新聞
シェールガスで投資詐欺 容疑の14人逮捕、被害数億円か
livedoor
シェールガスの投資詐欺容疑=男女14人逮捕—埼玉県警など
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版