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【社会】富士山入山料試験徴収に3万人超が協力、10日で3400万円

山梨、静岡両県で富士山の登山客に任意で一人当たり1000円の入山料を任意で求める社会実験を7月25日〜8月3日の10日間実施したところ、3万4327人が協力、3412万9822円集まりました。当初予想していた2万人を大きく上回る協力が集まりました。富士山は2013年6月22日に世界遺産に登録されたため、環境保護の目的での入山料徴収が検討されていました。今回の社会実験で入山料を支払ったのは登山客全体のおよそ6割程度と推定。登山客からはおおむね肯定的に受け止められており、入山料の本格導入にはずみがついた形となりました。

 

「大勢の方が好意的に受け止めてくれた」。山梨県の横内正明知事は開始4日目に登山道を視察した際に手応えを実感。登山者からも「1000円なら喜んで払う」「もっと高くてもいいのでは」と肯定的な声が目立った。両県は「環境保全の資金確保」を目的としており、試験徴収期間中に寄せられた登山者の意見を今後参考にする。

(スポーツニッポン)

 

入山料を徴収すると、それだけ環境の保護や整備にお金がつかえます。その結果、ゴミが減ったり貴重な植物がとられたり、といった環境負荷を低減することもできるようになります。また、お金を払う、ということで環境意識の低い方々の入山を抑制することもでき、それがさらに環境負荷低減につながると考えられます。

比較対象として適切かどうかは分かりませんが、秋葉原の有料公衆トイレが良い例でしょう。有料トイレ「オアシス@akiba」はJR秋葉原駅の中央改札口付近にあります。一見公衆トイレとは分からないようなきれいな作りです。ちなみに利用料は一回100円で、現金でもSuicaでもOKなのだそう。

 

どこかに汚れはないか意地悪に探してみたがいっさい汚れと言う汚れのないきれいな手洗い場だった。通常のお店と違い、トイレのためだけに係員が常駐しているから当たり前と言えば当たりまえかもしれないが、うれしいサービスだ。

(DaryPortalZ“秋葉原の有料トイレに行ってきた”)

 

有料であるため常駐の係員を雇うことができ、施設内の環境をきれいに整えておくことができます。これが入場料徴収の効果です。富士山の入山料徴収もこのような効果を狙ってのことでしょう。

 

しかし、本格導入には課題も残っています。

・入山料の徴収は任意にすべきか強制にすべきか
・入山料徴収の時間帯を制限すべきか、24時間体勢にすべきか
・入山料は1000円で良いのか

といった点です。

 

今回は各登山道で午前九時~午後六時に人を配置して集金した。山梨県の横内正明知事は七月二十八日の視察で、来年の集金時間について「公平を期すため二十四時間態勢が基本だろう」と述べ、夜間も集金することが望ましいという考えを示した。
両県は夏山シーズン終了後、任意か強制か、昼間だけか夜もかを議論し、本格導入の詳細を決める。
国内の世界遺産では、白神山地(青森、秋田県)の一部や屋久島(鹿児島県)が先行して任意の協力金を集めている。屋久島は一人五百円、白神山地は金額も自由だ。
渡辺豊博・都留文科大教授(富士山学)=静岡県三島市=は「日本の世界遺産では、協力金が集金のための人件費などに消え、十分に生かされていない」と指摘。「エベレストやアメリカの国立公園などは入山料を義務付けている。法律を作り、もっと高い料金を強制で集めなければ成功しない」と話す。

東京新聞

 

東京新聞が報じているように、入山料徴収はもともとの目的である富士山の環境保護のための資金を確保する他、登山客の数を抑制することで環境保護に役立てる、という意味合いもあります。

東京新聞の報道にあるように、縄文杉で有名な屋久島も入島料を任意で徴収しています。しかし、任意であるため入島者数の抑制には役に立っていないのではないか、との声も挙っているようです。

 

入場者数制限といえば、米国アリゾナ州の“The Wave”が有名です。写真家のKen Kanazawaさんがご自身のブログ“THE WAVEアリゾナ州 秘境 神か創造した芸術”でThe Waveの写真を紹介してくださっているのでぜひごらんください。

縞状の模様のついた岩場は、1億9千万年前の砂岩で、砂漠が化石化したものだということです。それが長年の風化により露出したもので、非常にもろい土地であるため、入場者数が1日に20名までと厳しく制限されています。入場料は7ドル(約700円)と富士山入山料よりも安く設定されていますが、The Waveへの入場者は抽選で選ばれるため、そもそも入場料徴収による入場者数抑制は意図していません。

※なお、The Waveは世界遺産級に貴重でありながら、世界遺産には登録されておらず、アリゾナ州の荒野に自然そのままの形で残されています。

 

このように、環境保護のために入山者数を抑制する、ということであればThe Waveのように入山者数を制限するのがもっとも簡単です。ただ、富士山は観光地でもあり、とくに山梨県は観光資源としての活用を重視しています。そのため、入場者数の制限は地域経済に大きな打撃を与える可能性もあり、入山者数を制限しない入山料制度という形に落ち着いたのでしょう。

 

富士山の利用について、静岡県側が自然・文化の保護を重視するのに対し、山梨県側は伝統的に観光開発を重視しており、山頂所有権問題、山小屋トイレ問題、マイカー規制問題、世界遺産登録問題等、過去から現在に至るまでの折々で双方の思惑の相違が表面化している。

Wikipedia“富士山”)

 

富士山は日本人にとって国のシンボルでもあります。日本人としては、大事にしていってほしいと願うとともに、静岡、山梨の両県にはぜひとも適切な施策をうってほしいと思います。

 

 

【ニュースソース】

富士山の入山料集計が10日間で3412万円、予想の2万人を大きく上回る
IBTimes

富士山入山料 10日間で3400万円
NHK

試験導入の富士山「入山料」 10日間で3400万円
TBS News

富士山の入山料試験徴収、10日間で3412万9822円
J-CASTニュース

富士山:入山料に3万人協力、3412万円集める
毎日新聞

富士山入山料、試験徴収の総額3412万円 静岡・山梨
asahi.com

富士山入山料安すぎた!?「1人千円」登山者抑制にならず
スポーツニッポン

富士山「入山料」徴収 10日間でおよそ3400万円集まる
FNN

富士山入山料試験徴収 3400万円集まる
日テレNEWS24

富士山入山料、10日で3400万円超 試験徴収終了
日本経済新聞

47NEWS > 共同ニュース > 10日間で3万人、吉田口は6割協力 富士山の入山料試験徴収
47NEWS

富士山入山料、試験徴収は3412万円 来夏導入へ金額など検討
MSN産経ニュース

富士山 3万4000人から協力金 試験期間が終了
東京新聞

富士入山料、計3400万円=登山者協力、予想以上―山梨、静岡
ガジェット通信

富士山「入山料」試験徴収終了 来夏の本格導入に向け話し合いへ
FNN

富士入山料の試験徴収 山梨側は1915万円(山梨県)
日テレNEWS24

富士山入山料、3万4327人が協力…試験徴収
読売新聞

 

 

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