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世にあふれるニュースを報道のされ方を比較、掘り下げていきます。国際、政治、経済を主に取り上げています。やや右寄りの傾向あり。

【国際】香港で43万人参加の大規模デモ、完全普通選挙の実施要求

中国返還16周年を迎える香港政府が1日に祝賀会を行うのに合わせ、完全普通選挙の実施を求める大規模なデモが行われました。デモの参加者は主催者発表で43万人、警察発表で6万6,000人でした。

 

香港で反発が広がっているのは、「香港の民主制度は1997年の返還後、次々と中国によって形骸化された」(同)などと不満が蓄積しているからだ。昨年3月の行政長官選挙でも、投票権をもつ代表に中国側から強い圧力がかかったことが明らかになっている。

(MSN産経ニュース)

 

MSN産経ニュースが報じているように、香港が中国に返還されて以降、香港の民主派は圧力をかけられ、民主制度が形骸化しつつあります。「中国の意向に沿わない民主派の立候補を認めない」(毎日新聞)といった中国側からの圧力もあり、中国政府への反発が強まっています。

 

香港市民の間では、米政府機関の情報監視を暴露したエドワード・スノーデン容疑者の香港出境を中国政府が指示したとの臆測も広がり、「高度な自治」を認めた一国二制度の形骸化を懸念する声が強まっている。会社員の曽博之さん(37)は「香港の自治は後退している」と危機感を示した。

(読売新聞)

 

米国政府による情報収集問題を暴露したエドワード・スノーデン氏が一時潜伏したことでも注目された香港ですが、それも「一国二制度」という特殊な政治環境があってのことでした。しかし返還から16年経ち、「高度な自治」を認める制度も形骸化しつつあるようです。

 

香港の民主派によるデモは2011年〜2012年にかけて中東や北アフリカで発生した民主化運動“アラブの春”を思い起こさせます。理想はあっても明確な政治的ビジョンのなかったアラブの春は旧政権を倒すことには成功しましたが、その後、彼らの理想とする民主政権を打ち立てることができずに迷走を続けています。特にエジプトでは大規模な反政府デモが頻発しており、軍部の介入も示唆されています。

 

経済が失速し始め、焦りを感じて周辺諸国に軍事的圧力を強める中国。その中にあって民主化を求める香港。各国のスパイが集まるともいわれ、アジアにおける情報と経済のハブとして機能する香港を起点に、アジアが大きく変わっていく可能性もどうやらありそうです。

 

【ニュースソース】

中国返還16周年、民主化デモ5万人―香港
世界日報 

香港 返還16年中国に抗議も
NHK

香港返還16年を祝賀
中国国際放送

香港:民主派が大規模デモ 行政長官辞任求める
毎日新聞

香港返還16年…揺れる「一国二制度」 中国の政治介入に民主派反発
MSN産経ニュース

香港、中国へ返還16年でデモ 行政長官の直接選挙求め
47NEWS

香港民主派、大規模デモ=長官辞任求める-返還16周年
時事通信

香港で大規模デモ 行政長官決める普通選挙の実施要求
日本経済新聞

完全な普通選挙の実現を…香港で大規模デモ
読売新聞

普通選挙求め10万人デモ 香港返還から16年
朝日新聞

香港で大規模デモ 主催者発表で43万人参加
日本経済新聞