【国際】中国・新疆ウイグル自治区で暴動、中国の差別的政策に米が懸念を表明
中国北西部の新疆ウイグル自治区で26日、警察署や政府建物を襲った暴動が発生し27人が死亡しました。一般市民と警官あわせて17名が死亡、警察側が暴動グループのうち10名を射殺。ほかに3名が逮捕、負傷者が3名でています。
新疆ウイグル自治区は、かつては人口の7割近くをウイグル族が占めていた。だが、石油や天然ガスなど地下資源の開発で漢族が流入。民族間の格差が拡大している。
(ANN)
新疆ウイグル自治区では、漢族による支配と貧富の格差拡大に対する少数民族ウイグル族の不満が強い。今年4月にはカシュガル地区巴楚(はそ)県で武装グループと警官らが衝突し、21人が死亡した。
(中国新聞)
現場に近い同自治区ウルムチ市では、4年前の2009年7月5日に騒乱が発生。中国政府側の統計で合計197人が死亡する「新疆7.5事件」に発展した経緯がある。現地では民族問題をめぐる緊張が続いているようだ。
(newsclip.be)
新疆ウイグル自治区はウイグル族の民族自治区です。もともとは中国とは別の国でしたが、1949年に共産党の支配下に置かれ、1955年にはに新疆ウイグル自治区として設置されました。ウイグル族の他、さまざまな民族が暮らす地区で、漢民族主体の中国政府からは差別的な扱いを受けています。ANNが報じているように、石油や天然ガスなどを巡ってかん民族が流入、ウイグル族に対する圧力が強まっていました。
大きく報じられることは少ないですが、チベットと並んで中国による人権蹂躙問題が懸念される地域でもあります。今回の暴動を受け、米国当局は懸念を表明。
米国務省のベントレル副報道官代理は26日の記者会見で、中国新疆ウイグル自治区で起きた暴動について「情勢を注視している。中国政府に対し、暴動で拘束された者に適正な法的保護を施すよう促す」と述べた。
ベントレル氏は暴動に関連し、中国国内でウイグル人やイスラム教徒が差別や規制を受けていることを「深く懸念している」とも強調した。(時事通信)
時事通信が報じているように、今回の事件に対し、米国は強い懸念を示しています。
米国と中国の溝はますます深まっていくのでしょうか。オバマ大統領と習国家主席の首脳会談が不発に終わり、経済成長も鈍化しつつある中国。周辺国への軍事的圧力を強めていることに対し、日本や東南アジア諸国、米国からも批判があがっています。急成長による社会構造のゆがみと成長鈍化の焦りがこうした行動に中国を駆り立てているのでしょうか。
【ニュースソース】
中国治安当局とウイグル人回教徒の衝突で27名が死亡
イランラジオ
新疆ウイグル自治区で「暴徒」と警官隊が衝突、27人死亡 中国国営通信
AFPBB News
中国:新疆で暴動 27人死亡
毎日新聞
中国:新疆ウイグルで暴動、民族対立で27人が死亡
newsclip.be
新疆ウイグル自治区で暴動、27人死亡 新華社通信報道
朝日新聞
中国新疆ウイグル自治区で暴動、市民含む27人死亡-新華社
ブルームバーグ
新疆、武装集団が警察署を襲撃 27人死亡
47NEWS
住民と警官隊衝突、27人死亡 中国・新疆ウイグル自治区
MSN産経ニュース
中国・新疆ウイグル自治区で武装グループが警察署襲撃 27人死亡
FNN
中国・新疆ウイグル自治区で武装グループと警察が衝突
日本経済新聞
米、新疆の暴動注視
時事通信