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【政治】ネット選挙運動解禁をうけ総務省が未成年者へ注意喚起

7月に実施される見通しの参院選から行われるネット選挙運動解禁を受け、総務省は20歳未満の未成年はネット選挙運動が禁止されている注意喚起をチラシや冊子などで呼びかけました。公職選挙法改正により、候補者のインターネット上における選挙活動は解禁されますが、未成年がネット上で選挙運動を応援する活動は禁止されています。

  1. 自分で選挙運動メッセージを掲示板・ブログに書き込み
  2. 他人の選挙運動の様子を動画共有サイトなどに投稿
  3. 他人の選挙運動メッセージをSNSなどで広める(リツイート、シェアなど)
  4. 送られてきた選挙運動用電子メールを他人に転送(※一般有権者も禁止)

(ASCII.jp)

ASCII.jpが挙げているように、未成年者がブログやTwitterで選挙運動を支援する活動は禁止されています。

また、これらの禁止事項が本当に実効性のあるものかどうか、疑問の声も上がっているようです。

この中で特に議論となっているのが3番目の「他人の選挙運動メッセージをSNSなどで広める」で『Twitter』では「リツイートしたのが未成年者かどうか選挙管理委員会はどうやって判断するのか」など疑問の声が挙がっています。プロフィール欄を見て「17歳高校生」と明記されているような場合でも、特定候補者に対するネガティブキャンペーンを仕掛ける目的で未成年者になりすましてリツイートを行うような事例も考えられるので公職選挙法違反の決定的な証拠になるとは限りません。
もう一つ、総務省のアナウンスでは触れられていませんが公職選挙法では未成年者と異なり、参政権(選挙に立候補・投票する権利)を持たない外国人の選挙活動を禁止する規定は存在しません。ただし、従来の公職選挙法では日本に居住している外国人のみが想定されていたのに対し、インターネットを利用した選挙活動の解禁後は日本に居住していない外国人の活動も問題になるかも知れません。現状では日本語を使用した選挙活動用のサイトで製作者の居住地やサーバーが日本国外にある場合について総務省のガイドラインでも明確にされていないため、参院選の後に「外国の政府や団体がインターネットを通じて日本の選挙に干渉する可能性」や「外国からの選挙活動に対する規制の実効性」に関する議論が浮上する可能性があります。

(ガジェット通信)

このように、ネット選挙運動解禁とはいっても、従来通り、参政権のない未成年者と外国人に関しては選挙運動が禁止されています。が、ネット上で年齢や国籍が本当に確認できるのか、については大いに疑問が残るところです。

 

さて、本記事では再三に渡って「ネット選挙運動」ということばを使ってきました。「ネット選挙運動解禁」についてはどうやら誤解が多いようです。総務省はもともと、「インターネット上での選挙運動の解禁」を「ネット選挙解禁」と表現していました。それが誤解を招いたようで、多くの人が「インターネット上から投票ができる」と誤解をしてしまったようです。しかし、今回の改正公職選挙法ではインターネット投票は解禁されておらず、あくまで「インターネット上での選挙運動」だけが解禁されます。また、ネット選挙運動が解禁されたといっても、上記のように参政権のない市民は選挙運動を支援することが禁止されています。

 

今回可能になったのはあくまでネットを使った「選挙運動」のみ。世界的に見ても、「ネット投票」はエストニアなどごく限られた国でしか導入されていない。そのことは2013年4月の法改正時にも、かなり大々的に報じられたはずだ。

(J-CASTニュース 「ネットで投票できるようになるんだよね」 ネット選挙解禁に「勘違い有権者」多発

 

東京都議選が明後日の6月23日に迫っています。近所では選挙カーが走り回っており、窓を閉めていても部屋でかけている音楽が聞こえなくなるほどです。ネット選挙運動解禁で少しは選挙カーが減ると嬉しいのですが、おそらく広報手段が増えるだけで、選挙カーは減らないでしょう。

 

最後に、選挙カーに関して面白い記事があったのでご紹介しますね。

 

法律特有のわかりにくい文章の要点をかいつまんで説明すると、「選挙カーでは本来選挙運動をしちゃいけないのだが、停止中の演説と、走行中の連呼だけはやってもいいよ」 ということなのだ。

(知の関節技「選挙カーの 「連呼」 は 「迷信」 から生じているらしい」

 

公職選挙法で「走行中の車上では名前の連呼以外は禁止」されているとのこと。なんともシュールな条文ですよね。

 

 

【ニュースソース】

RTもシェアもダメ! 総務省が未成年の選挙運動に釘を刺す 「Twitterで年齢見分けられるの?」との声も
ねとらぼ

参院選 ネット運動解禁 高校生に冊子で注意喚起へ
東京新聞

「RT、ダメですよ」――ネット選挙運動、未成年者は禁止 総務省が注意呼びかけ
ITmedia

総務省いわく、未成年者のネット選挙ツイートも「ダメ、ゼッタイ」
ASCII.jp

【ネット選挙活動】総務省が「未成年者はリツイート禁止」をアナウンス 実効性は未知数
ガジェット通信