【社会】15〜34歳のニートの若者が過去最多の2.3%に
政府は18日の閣議で2013年版の「子ども・若者白書」を決定しました。白書によりますと、仕事に就かず学校にも通っていない「ニート」の割合2.3%と統計を取り始めた平成7年以降で最多になりました。総務省の労働力調査にもとづいた結果です。
内閣府は「雇用情勢はやや改善しているが、ニートにまでは波及していないのではないか」と分析している。(日刊スポーツ)
白書は、ニートなどの若者の職業的自立を支援するため、厚生労働省が設置している「地域若者サポートステーション」の拡充を促進するほか、支援体制の強化を図るとしている。(マイナビニュース)
若者の雇用を取り巻く環境はますます厳しさを増しているようです。アベノミクスで景気が回復傾向にあるとみる向きもありますが、まだまだ実体経済への波及は追いついておらず、株価や為替への影響にとどまっています。むしろ、景気回復傾向にある中で雇用状況が厳しくなっている、ということは相対的にみてより厳しい状況になっているといえるでしょう。
この数値は「雇用環境が厳しい」と見ることができる一方で、「ニートでも生活が成り立っている割合が増えている」と見ることもできそうです。家庭が裕福であれば働く必要もないでしょうし、株式や不動産所得があれば就職や起業の必要もありません。「働けない・働いていない層の増加」と単純に見るのではなく、もっと別の見方をする必要もあるでしょう。
厚生労働省の「ニート」の定義は
総務省が行っている労働力調査における、15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方を、いわゆるニートとして定義しています。(厚生労働省 よくあるご質問について)
としています。
高齢化・少子化は衛生状態がよく、医療環境の整った先進諸国の宿命です。また、若者の失業率の高さは日本だけの問題ではありません。欧米諸国でも、若者の失業率の高さは問題となっています。
電撃的に大統領が交代したフランス。背景には経済問題があると言われていたが、とりわけ注目されていたのが、若年失業率の高さだ。24歳以下の失業率は実に22%。イギリスでも19%、ギリシャやスペインでは50%を超えている。なぜ、こんなことが起きているのか。
(中略)
では今後、若者の失業率はどうなっていくのか。最大の要因となっている解雇規制がそのままになっている以上、当面は今の状況が変わる可能性は低い。解雇規制は労働者を守る“盾”だが、その盾が若者の就職を阻む“壁”になるというパラドックスは、容易には解決しがたい。すでに職を得ている人の既得権を守るのか。新たに社会に出る人に機会を与えるべきか。若者の失業率上昇、極めて難しい問題なのである。(R25 なぜ若者の失業率ばかり高くなる?)
景気が良かったころに大量に雇用された人材は長期雇用を望んでいるため、厳しい解雇規制は変えづらい状況にあるため、労働者保護のための規制が新たな雇用の足かせになっているのです。
【ニュースソース】
ニート、過去最高2・3% 63万人
日刊スポーツ
ニートの割合、過去最高2.3% 子ども・若者白書
日本経済新聞
ニート、過去最高2・3% 63万人、子ども・若者白書
47NEWS
「ニート」の若者の割合、過去最高に--25歳~34歳の"年長ニート"が半数超
マイナビニュース
ニート、過去最多の2.3%=若者白書
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版