ニュースを比較してみるブログ

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【国際】米個人情報収集暴露のスノーデン氏、各国の思惑は?

先日来大きく報じられている、米国国家安全保障局(NSA)の個人情報収集問題を暴露したエドワード・スノーデン氏。現在は香港に滞在していると見られていますが、その影響について、国内外のニュースを比較しているNewSphereが分析記事を掲載しています。興味深い記事ですので、取り上げたいと思います。

 

「香港に潜伏中の元NSA職員が暴露した、アメリカの世界的な大規模監視プログラムが、米政府の海外でのイメージと、中日の結びつきに傷をつけることは疑いがない」と報じたという。米国がこれまで、中国によるサイバー諜報活動に警鐘を鳴らし、政府レベルで、その停止を訴え続けてきたことについても、皮肉たっぷりに、「ここ何ヶ月というもの、米政府は中国のサイバー諜報活動を槍玉に上げてきたが、米国内の個人の自由やプライバシーの追及にとって最大の脅威は政府の歯止めのきかない権力であることが明らかになった」と切り捨てた模様だ。

 

として、サイバー諜報活動やサイバーテロの主犯格として米国が非難してきた中国が、「米国だって同じことをしてるじゃないか」と切り返す良いタイミングとなった、と分析しています。

一方の米国内部では

 

委員会メンバーの下院有力議員2人は、キース・アレクサンダーNSA長官との3時間に及ぶ会議のあと、スノーデン氏を「反逆者」と呼びつつ、「彼の動機について、コネクションについて、潜伏先について、なぜ、彼の地を選んだのか、どうやって身を隠しているのかについて、そして、中国政府の全面的な協力の有無について、解明しなければならないことが山積みだ」と述べたという。

 

とスノーデン氏が中国に滞在している理由について、疑義を呈しています。スノーデン氏はもともとアイスランドへの亡命を希望していたとされていますが、アイスランド当局はそのような話はきていない、としており、スノーデン氏に対して中国からのスパイである疑いがかけられるのも無理のないことです。

 

スノーデン氏の滞在先である香港では

 

取材を受けた政治家は、「私たち政治家は、香港当局だろうが、アメリカだろうが、中国だろうが、いつも「監視」を受けているようなもの。そもそも、香港は多くの人が諜報活動のために来る、スパイのメッカだ」と述べたという。

 

として、暗にスノーデン氏が何らかのスパイ活動を行っていることをほのめかしています。

 

特にこの香港の反応は興味深いところです。

「香港はスパイのメッカ」というのは私も初めて知りました。たしかに中国の一部でありながら、1997年まではイギリス領で中国共産党の支配を受けていなかったこともあり、比較的自由な気風が認められていました。そのため、中国への諜報活動、あるいは中国からの諜報活動が行われやすい地域だったのではないか、と推測します。

 

米国は中国の南シナ海および東シナ海での軍事的挑発行動を非難する決議案を提出したばかり。スノーデン氏の問題もあり、米中間には不穏な空気が色濃くなってきているようです。

 

 

【ソース】

スノーデン氏のネット監視「暴露」 米中関係に与える影響とは?
NewSphere