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【国際】所在不明だったスノーデン氏、12日に香港地元紙の取材に応じる

米国国家安全保障局(NSA)への個人情報提供問題で、機密情報をリークした元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が香港で12日、地元紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に応じました。「私は隠れるのではなく、犯罪を暴くために香港にいる」と記者に述べました。

 

スノーデン氏はまた、NSAが世界中で61000以上のコンピューターのハッキングを繰り返していた、と指摘。その上で「2009年以降、香港や中国本土でハッキングしていたことを示す文書がある。標的は主に、大学生や公務員、会社員だ」と述べました。(TBS)

 

米政府が2009年から、中国本土や香港のコンピューターをハッキングしていると述べた。(47NEWS)

 

と報じられているように、スノーデン氏は米国が中国を標的としたハッキングを繰り返している、と主張しています。この発言が真実だとすると、

 

米カリフォルニア(California)州で先週末に行われたバラク・オバマBarack Obama)米大統領と習近平(Xi Jinping)中国国家主席との首脳会談で示された、米中間の信頼構築の新たな試みを脅かすことになる。(AFP)

 

AFPが分析しているように、先日の米中首脳会談の成果が脅かされる可能性が高まります。

 

一方で、スノーデン氏の香港滞在について、疑問を呈している向きもあるようです。

 

9日、元CIA工作官のロバート・ベア氏はCNNのニュース番組の中で、スノーデン氏の暴露は「中国のある種の関与を匂わせている」と指摘。アイスランドなどへの亡命を希望しているスノーデン氏は、身の隠し場所として香港を選んだことは不自然であり、「まるで中国政府のために働いているようだ」とベア氏は話す。
「このタイミングでこういった暴露をするのは、米国の名誉を汚すことが狙いであることは明らかだ。この前の米中首脳会談において、オバマ大統領が中国のサイバー攻撃を叩いたとすると、習近平主席は反撃するだろう。米政府も同じ仕業をしているのではないか、と」大紀元

 

中国がスノーデン氏に関心を寄せていることは疑う余地がない。同氏のリークには、米国のサイバーセキュリティーに関する詳しい情報が含まれており、同氏に協力している記者らは、今後新たな情報が暴露される可能性を示唆している。今回のリークは、オバマ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談の前日に明らかになったことで陰謀説もささやかれている。とはいえ、中国が引き渡しを拒否すれば、米国政府の反感を買うだろう。もしそうなれば、北京の米国大使館に駆け込んだ人権活動家の陳光誠氏のケースより大きな危機を引き起こしかねない。(ロイター)

 

大紀元とロイターが分析しているように、スノーデン氏が潜伏先としてあえて香港を選んだことから中国当局との関係が疑われています。米国当局の不正に対する道義心からではなく、中国当局の利益のために動いているのではないか、というのです。

 

つい先日の米中首脳会談で両国間の信頼関係が築かれていく可能性が見えた矢先のことだけに、なにやら陰謀めいたものを感じざるを得ません。

 

※「大紀元」は中国系のメディアですが、中国政府に対して批判的な姿勢の報道で知られています。もしかしたらやや米国よりの報道姿勢になっているかもしれません。

 

 

【ニュースソース】

機密暴露の元CIA職員 「中国政府のために働いているようだ」と元工作官=CNN
大紀元

米捜査当局、スノーデン氏身柄引き渡しの戦略練る
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

「香港と中国でハッキング」スノーデン氏、香港紙に語る
朝日新聞

コラム:米データ収集告発者の香港逃亡、中国に「頭痛の種」
ロイター

香港逃亡の告発者「犯罪暴く」 米ネット極秘調査
朝日新聞

暴露の元CIA職員、香港とどまる意向 米個人情報収集
MSN産経ニュース

米当局は世界で「数万件のハッキング実施」、スノーデン氏が香港紙に語る
AFPBB News

暴露の元CIA職員「香港でアメリカ政府と闘う」
TBS News

「米が中国をハッキング」 09年からと元CIA職員
47NEWS