【社会】手話で恐喝!?暴力団員ら逮捕
警視庁城東署は5日までに耳が不自由な高齢者を手話で恐喝、現金150万円を脅し取った容疑で暴力団員ら2名を逮捕しました。容疑者らも耳が不自由で、いずれも「カネを借りただけ」と容疑を否認しているようです。
手話による恐喝事件の摘発は異例だが、同署は、阿部容疑者らが男性を脅した内容のほかに、高齢の男性1人を2人で脅した手口などを悪質と判断。男性から今年1月に相談を受け、手話の専門家の通訳を介して男性から被害状況を聞き取り、犯行を再現するなどして立件にこぎつけた。(MSN産経ニュース)
他紙はさらっと書いていますが、MSN産経ニュースには「手話による恐喝事件の摘発は異例だが」との記述が見られます。
私としては「手話で恐喝」という場面がいまいち想像しづらいところです。恐喝というと、ドスのきいた声とオーバーな身振り、怖い表情でやるものだ、という思い込みがあるからでしょうか。「ドスのきいた声」という要素がない場合、どのように相手を脅すのでしょうか。いわゆる「ドスのきいた手話」というのもあるのかもしれないですし。暴力団員の身振りや表情がとても怖かったのかもしれません。
手話というとなんとなく温厚そうなイメージがあるのですが、今回の事件で必ずしもそうではない、と思い込みを壊してもらった感じがします。
追記:
このニュースを読んでふと、映画「おそいひと」を思い出しました。重度の脳性麻痺障害者が殺人を犯す、という映画です。その出演者へのインタビューにこんな言葉がありました。
ストーリーを知ったのは、映画が完成して見せてくれたときでした。ストーリーについては、今までの障害者が出ている映画はドキュメンタリーも含めて、お涙ちょうだいか頑張る障害者像を描いている映画ばかりで、私はそういう描き方にすごく違和感と反発を感じていました。実際の障害者の実像はそんなに美しくないし、ドロドロしたものだから、連続殺人は極端かもしれませんが、障害者の中にも頑張らない者もいるし、大酒飲みもスケベエもいるし、詐欺師も泥棒もいます。そのことをこの映画は連続殺人という極端な表現で描いていると思います。
(x51.org 脳性マヒの殺人鬼 — 『おそいひと』主演・住田雅清インタビュー)
つい先日、みなさまご存知の乙武さんがとあるイタリアンのお店で入店拒否された、というのが話題になりました。そこでも、障害者とどのように接するか、障害者の実像とはどんなものなのか、についても議論が持ち上がりました。詳細はここでは避けますので、ご興味のある方は検索してみてください。
【ニュースソース】
手話で現金恐喝容疑、組員ら逮捕 警視庁
47NEWS
手話で高齢者を恐喝 容疑の暴力団組員の男ら逮捕
MSN産経ニュース
耳が不自由な組員ら、手話で現金脅し取る…
スポーツニッポン