【国際】ひびの入ったベルギーの原発、再稼働へ
ベルギーの電力会社エレクトラベルは17日、無数のひびのようなものが発見された原発二基を「安全性が確保された」として再稼働することを正式決定しました。エレクトラベルはひびについて「悪化せず、炉の強度に問題はない」と説明しています。
二基の原発再稼働について、環境保護団体のグリーンピースが強く批判する声明を発表、と東京新聞は書いています。
ベルギーのテレビ局・RTBFの報道によりますと、グリーンピースは声明の中でベルギーにある原発の安全措置を強化するよう求めたということです。
この声明ではまた、「ベルギーには現在、7基の原発があるが、これらの原発の事故への対策基準はきわめて低く、現代的な基準にかなっていない」とされています。
グリーンピースの責任者の1人、アルバ・グローリョ氏は、「2年前の福島第1原発事故の後、ドイツのマックス・プランク研究所は、原子力の危険性に関する新たな報告を出しており、それによるとこのような事故が起きる可能性は、過去の予測の2倍委譲となっている」と語りました。
ベルギー政府は、福島原発事故の発生後、同国内の原発の稼動停止予定の期日を発表しました。
ベルギーにある原発のうち2基は、2015年に稼動を停止し、また残りの原発は2025年までに稼動を停止することになっています。(iran japanese radio)
この再稼働の背景には次のような事情があるようです。
ベルギーは「脱原発計画」に基づき2025年までに国内で稼働中の2原発の計7基の原子炉を段階的に閉鎖する予定だが、代替電源の確保が遅れ、老朽化した原子炉の閉鎖を延期して運転を続けている。(日経新聞)
ドイツが脱原発を推進しており、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを開発していることはご存知の方も多いでしょう。その関係もあって、ヨーロッパと言うと脱原発のイメージが強いかと思いますが、実はそうではないようです。日経の記事にあるように、ベルギーは代替エネルギーの開発が進んでおらず、原発による電力確保が必要な状況です。
【ニュース】
ひび割れ原発、運転再開へ=市民の不安招く恐れも-ベルギー
時事通信