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【国際】領空侵犯した中国無人機は撃墜・・・日本政府方針に中国側は反発

安倍晋三首相が今月11日に小野寺五典防衛相から対処方針の報告を受け、警告を無視して領空侵犯した無人機は有人機と同様に撃墜する方針を了承、それを受けて中国国防省の耿雁生報道官は26日、「無人機の撃墜は中国に対する戦争行為」と強調し反発しています。中国海軍は18日から西太平洋で大規模な軍事演習を行っており、不安定化するアジア情勢へのけん制とみられます。

日本政府の対応は、中国軍の無人機が9月9日に尖閣諸島に接近した事案を受け、無人機の撃墜も防衛計画の一環に盛り込んだ形となります。それに対して中国側は

 

日本の挑発に対し中国外交部は22日、「釣魚島は中国固有の領土であり、中国は領土主権を守る上での決心、能力がある。外部からの挑発には断固として対応する」と表明した。

新華社通信ネットジャパン)

 

と反発を表明。「どちらが先か」の水掛け論にはなってしまいますが、客観的にみて、無人機を飛ばす中国側が日本側をまず挑発しており、撃墜行為が「中国側に対する挑発」とするのは奇妙なロジックといわざるをえません。

ただ、このような中国側の対応に関して、中国国内から批判があがっているようです。

 

 

一方、微博ユーザーの怒りは中国外交部にも向けられ、「また“断固反対だけ”か。行動を起こすべきだ」など、いつも「抗議」だけを繰り返す外交部にあきれ気味のようだ。

(読売新聞)

 

このように、中国版Twitterである微博では「政府はいつも口先だけ」と批判しています。

 

当方の個人的な見解としては、自国の領土を侵されてもこちらが攻撃されるまでは撃墜できない現状の自衛隊法に問題があると考えます。おおきく言えば、「まわりが武装しているのに自分だけ丸腰でいる状態」です。実際の所は自衛隊をもっており、軍事力がないわけではありませんが、自分の身を守るための軍事力が、本来の目的である「自分の身を守る」ことに使うのに大きな制限がある、というのもおかしな話なのです。「軍事力を放棄してしまえば周りからは攻め込まれない」という論理を繰り広げている人もいらっしゃいますが、軍事力を放棄してしまえば周辺国は嬉々として攻め込んでくるでしょう。以前もどこかで書きましたが、スイスが永世中立国でいられるのは強力な軍事力をもっているからです。自分の身を自分で守れないようでは、まともな独立国家とはいえません。

ですから、今回の決定は「自分の身を守るための軍事行動を了承する」という非常に大きな意味があると感じています。だからこそ、中国側も声を大にして批判しているのでしょう。

 

 

【ニュースソース】

日本が中国無人機の撃墜方針、中国海軍は西太平洋で大規模演習―中国報道
新華社通信ネットジャパン

日本が無人機撃墜すれば「戦争行為」 中国軍が強調
MSN産経ニュース

日本が無人機撃墜の方針示す…中国人が猛反発=中国版ツイッター
サーチナニュース

中国国防省、無人機撃墜なら「戦争行為」
日本経済新聞

中国、無人機撃墜は「戦争行為」と日本をけん制
読売新聞

無人機撃墜は「戦争行為」=日本をけん制-中国国防省
時事通信