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【経済】消費税だけではない!?10月から値上げされるものさまざま

昨日とりあげたように、2014年度からの消費税引き上げが確実となりました。消費税法附則18条、いわゆる「景気条項」がクリアされたとして、予定通り8%に引き上げる、と1日夜、安倍首相が首相官邸の記者会見で発表しました。消費税は所得税のように現役世代が負担するものではなく、広く一般国民が負担する形となるため、消費への影響が懸念されています。

 

当方はホームベーカリーでパンをよく焼きます。そのため強力粉を常備しているのですが、つい先日スーパーに買い出しにいきましたら強力粉の値札に「近日中に値上げします」との注意書きがありました。円安の影響?と思ったのですが、どうやら値上げはさまざまな商品に及ぶようです。

 

  • 牛乳・・・1リットル当たり約10円値上げ
  • 小麦・・・政府売り渡し価格4.1%値上げ
  • ごま油・・・メーカーが10%以上の値上げ
  • 豆腐・・・約20%の値上げ
  • 日本酒・・・2〜7%の値上げ
  • 食品トレー・・・6%程度の値上げ
  • 海外旅行・・・パックツアーを3〜10%値上げ
  • 自動車保険・・・1%程度の値上げ
  • 厚生年金負担・・・16.766%から17.120%に負担引き上げ

 

これらの負担が増える一方、

 

  • 年金給付額・・・国民年金666円、厚生年金2349円の引き下げ
  • 児童扶養手当・・・0.7%引き下げ

 

これらは引き下げられます。

牛乳や小麦などの食品の値上げは主に円安と原材料費の高騰が原因です。牛乳に関しては乳牛に与える飼料が高騰しているための値上げです。昨年12月の衆院選で自民党が圧勝してから始まった円安の影響がマヨネーズなどにじわじわと反映されてきていましたが、今回ひろくさまざまな食品や商品にその影響があらわれるようです。

消費税増税が発表されたタイミングで負担が増え、給付が減るとなると消費への影響は避けられないでしょう。景気は上向いてきている、とはいわれていますが、一般の給与にはまだまだ十分反映されておらず、綱渡り状態が続く可能性が考えられます。

その一方で最低賃金の値上げ、電気料金の値下げなどがあり、単純に負担が増加するだけではなさそう。

 

  • 最低賃金・・・全国平均で15円値上げの764円
  • 電気代・・・全国の電力会社で13〜58円の一斉値下げ

 

負担増に比べれば微々たるものでしょうけれども、多少は各種値上げショックを緩和できるのかもしれません。

 

安倍総理大臣は、消費税率の引き上げに備えた新たな経済対策について、「目先の経済を押し上げるだけの一過性の対策ではない。社会保障の充実や安定などのためにお願いする負担を緩和しながら同時に、将来にわたって投資を促進し、賃金を上昇させ、雇用を拡大する。まさに『未来への投資』だ」と述べたうえで、ことし12月上旬に5兆円規模の経済対策を策定する考えを示しました。

(NHK“来年4月から消費税8% 首相会見”)

 

昨日の首相発表ではこのように、消費税増税とセットで行われる経済対策は単に一時的なものではなく、企業の投資拡大を促し、社員の賃金をアップして所得を継続的に拡大していくことを目的としている、としています。

その先のシナリオとしては、昨日このブログで取り上げたように、冷え込んだ消費を拡大することで市場に流通するお金の流れを良くし、そこから社会保障費など今後拡大していくであろう歳出のための財源を安定的に確保していく、という流れが考えられます。ただ、そのためには企業が収益を溜め込まずきちんと社員や社会に還元していく仕組みが必要です。

 

「私は法人対個人という考え方をとらない。長いデフレの間、企業は、投資や従業員への還元を行わずに、ため込んできた状況がある。企業にとって投資をしたり従業員に還元したりしていかなければ、損をしていく方に変えていく。企業が国際競争力に打ち勝ち、賃金という形で従業員へ還元し、それが消費に回っていければ好循環に入っていく」

(NHK“来年4月から消費税8% 首相会見”)

 

安倍首相は昨日の会見でこのように述べ、企業が収益をためこまない仕組みを考えていることがうかがえます。事実、この考え方がうまく機能するとしたら、多少の負担増も気にはならなくなるでしょう。

 

短期的にみると、さまざまな商品の値上げに加えて消費税増税と家計への負担が増えていきます。それに対して経済政策がうまく機能するのか、ぜひ注目したいところです。個人的には、増税の前に経済政策を行ってみて、それがうまく機能し始めた段階での消費税引き上げ、という形の方が良かったとはおもうのですが。

 

 

【ソース】

10月スタートの暮らしにかかわる変更がたくさんあった
NAVERまとめ