【国際】韓国・朴大統領が苦境、公約修正で野党から批判噴出
2013年2月に韓国初の女性大統領として話題になった朴槿惠(パククネ)大統領が苦境に立たされています。来年度の予算案で65歳以上への年金一律支給案を修正。景気後退による税収不足を原因としています。野党はこれに対して「公約破棄」「詐欺」と激しく批判。朴大統領の支持者には高齢者が多いため、野党はこの機に乗じて攻勢をかけていく構えのようです。
朴氏は26日に開いた国務会議(閣議)で、公約だった65歳以上への新たな年金一律支給案の修正を決定。「私を信頼してくれたお年寄り全員に支給できない結果になり、申し訳ない気持ちだ」と述べた。27日にも高齢者団体幹部らとの会合で、「申し訳ない気持ち」と改めて謝罪した。
(朝日新聞)
とはいえ、謝罪するだけまだましのように思えてしまいます。民主党政権時代、公約が次々と破られていったのは記憶に新しいことでしょう。
- 八ツ場ダムの建設中止(コンクリートから人へ)
- 埋蔵金の発掘
- 子ども手当を月2万6000円支給
- 高速道路の無料化
- ムダづかいと天下りを根絶
- 国家公務員の総人件費2割削減
- 年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現
- 増税はしない(消費税は4年間議論すらしない)
- 暫定税率の廃止
- 沖縄基地の県外移設
・・・
(NAVERまとめ“民主党のマニフェスト違反を振り返ってみる”)
ごくごく一部を抜粋したものになります。実際には100以上の公約違反が指摘されており、それをリスト化されている方もいらっしゃいます。
これだけの公約違反にも関わらず、民主党からは謝罪がありませんでした。民主党は2012年12月の衆院選、2013年7月の参院選での大惨敗後、敗因を「情報発信力不足」と分析しましたが、どうやら現実が見えていなかったようです。民主党はさまざまな失政をおかし、さらに公約違反もしていたにも関わらず、それは認めようとしなかったからです。
このように見ると、朴大統領が謝罪をしているのは民主党政権に比べてまだまだまし、とみえてしまうから不思議です。
ただ、この背景には韓国国内での朴政権に対する不信感があるようです。
朴大統領がベトナムを訪問した際、ベトナム戦争時における韓国軍の残虐行為には触れませんでした。その言動に対し、「日本には盛んに歴史直視を訴えているのに矛盾しているのではないか」と韓国メディアが論じました。
ベトナム訪問中の朴槿恵(パク・クネ)大統領が過去の戦争の歴史について謝罪発言などまったくせず、ベトナム側も何ら要求していないことが韓国で話題になっている。10日付の新聞論調では、韓国が日本に対してしきりに「歴史直視」を要求していることと矛盾するではないかとの皮肉も出ている(ハンギョレ新聞社説)。
韓国は1960〜1970年代のベトナム戦争の際、米国支援のため30万以上の兵士を派遣しています。その際、住民の虐殺や略奪行為があったとして問題になりました。1992年にベトナムと韓国が国交を結んだ際、ベトナムは謝罪と賠償を一切要求しませんでした。
中央日報は1面トップ記事で「父の時代の歴史に対する和解」とし「過去についての両国の成熟した立場と、間違った歴史認識にとらわれている日本を比較することになる」「日本への圧迫の意味もある」と奇妙な解釈を加えている。
韓国の中央日報は朴大統領の言動を擁護していますが、一方で前述のように同じく韓国の新聞社であるハンギョレ新聞はそれを批判。大統領就任から半年ほどたった現在、このように支持が割れており、批判も噴出している状況です。
※なお、ここでとりあげられているハンギョレ新聞は「書きたいことを書ける新聞」をキャチフレーズとし、ベトナム戦争時に韓国軍がベトナムで行った強姦行為で韓国兵とベトナム現地女性の間に出来た子ども“ライダイハン”問題を取り上げるなど、体勢よりではない姿勢が目立つ新聞のようです。
発足からまだ1年たっていない朴政権ですが、この事態がどう影響するか、日韓関係にどのような影響を及ぼすのか、注目したいところです。
【ニュースソース】