【災害】パキスタンでM7.7の地震、死者すくなくとも45名
パキスタン南西部のバルチスタン州で現地時間24日午後4時半(日本時間同日8時半)ころ、マグニチュード7.7の強い地震が発生しました。25日未明の段階で少なくとも45名の死亡が確認されています。気象庁によると、日本への津波の影響はないとのことです。
米地質調査所(USGS)によると、震源は同州アラワンの北北東66キロ地点、深さは20キロ。周辺は人口がまばらな山岳地帯で、大半の民家は土壁で建てられているという。
(時事通信)
州都クエッタの当局者は、一部の地域で大きな被害が出ているもようだが、遠隔地のため早急な確認が難しいとしている。
軍は救助部隊を現地に派遣したことを明らかにした。
(ロイター)
報道によると、被害のあった地域は土壁で作られた家が多い山岳地帯で、簡素な家作りのため倒壊した家屋が多く死傷者が今後も増える可能性がある、とのこと。さらに遠隔地であるため救助が難しく、軍が動き出しているとのことです。
今年4月には、イランのパキスタン国境付近でM7・8の地震があり、パキスタン南西部で41人が死亡している。
(MSN産経ニュース)
産経が報じているように、パキスタンでは今年4月にも、イランとの国境付近で大きな地震が発生しています。国境を接するイランの原発に近いということもあり、影響が懸念されましたが、このときは原発には影響がなかったとされています。
さて、シリア問題に端を発する中東情勢ですが、パキスタンの地震はなにか影響を及ぼす可能性がありそうでしょうか?
まず、西側の隣国であるイランはパキスタンと友好関係にあります。両国の関係は良好で、地震が起きたからといって、その機に乗じて何かが起きる、ということはなさそうです。一方、南東側を接するインドとはカシミール地方の領土問題を巡って緊張関係にありました。しかし、その後の緊張緩和政策により両国間の対話が続いており、和平協議が進んでいます。以前ほどの緊張関係ではなさそうです。
また、シリア問題の当事者のひとりである米国ですが、こちらはイランやインドへの抵抗勢力としてパキスタンをみており、重要な支援国家と位置づけています。パキスタンも基本的には親米路線ですが、一部、タリバンなどの武装勢力が力を持っている地域があり、軍部が非公式に支援している、とも見られています。テロとの戦いを標榜する米国にとってそのような活動は望ましくなく、以前ほど両国の関係は良好ではなさそうです。
なお、日本とパキスタンの関係は非常に良好です。2005年に発生したパキスタン地震では日本から自衛隊が派遣され、救援物資の輸送活動を行っています。その他経済援助の他、アントニオ猪木がパキスタンに遠征し、現地プロレスラーと対戦するなど、スポーツ面での交流も行われています。
今回の地震の震源地はパキスタン南部にあるカラチの原発からそう遠くはなく、影響が懸念されるところです。ただ津波の心配がないことから、福島第一原発のような事故に発展することはないとみられていますが、今後の報道には注意したいところです。
そういえば先日、福島で大きな地震があったばかりでした。世界各地で水害のニュースも相次いでいます。南海トラフ地震も懸念されていることですし、災害への備えは怠らないようにしたいものです。
【ニュースソース】
パキスタン南西部でM7・7
デイリースポーツ
パキスタン南西部でM7.8の地震、米地質調査所
AFPBB News
パキスタンでM7.7の地震、家屋など倒壊し10人死亡
TBS News
パキスタンでM7.7の地震 少なくとも30人が死亡
テレビ朝日
パキスタンでM7.7の地震 30人超死亡と地元当局
日本経済新聞
パキスタンでM7・7 45人死亡、100人超負傷
MSN産経ニュース
M7.7の大地震、46人死亡=民家多数倒壊-パキスタン
時事通信