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【政治】消費税増税の集中点検会合終了、有識者の7割が増税賛成

消費税増税の影響を有識者からヒアリングし広く意見を求める集中点検会合が31日、6日間の日程を終えました。6日間に60名の有識者からヒアリングを行った結果、約7割にあたる44名が増税賛成を表明、11名が見直し案を提示しました。3名が反対し、2名が賛否を明確にしませんでした。7割が賛成を表明したことで政府にとっては消費税増税への追い風となりましたが、今回の会合は拘束力があるわけではないため、最終的には首相の判断を待つことになります。安倍晋三首相は今回の会合の結果に加え、経済指標などを総合的に判断し、9月下旬から10月上旬までに増税可否の結論を出す予定です。

 

26日から始まった一連の会合では、社会保障の安定的な財源確保や、財政再建の必要性から、消費税率引き上げについては支持する声が大半だった。意見が分かれたのは、引き上げの時期や方法を巡る点だった。

(読売新聞)

 

読売が報じているように、7割が増税を支持したとはいえ、その時期や方法については意見が分かれました。増税による景気の落ち込みは多くの有識者が懸念するところであり、十分な対策を求めています。一方で増税しないことによる財政悪化や国際的な信用喪失も懸念されており、論点は「増税ショックをいかに緩和するか」というところになりそうです。

 

会合では増税がデフレ脱却を阻害するかどうかについて、賛否が分かれた。慎重論者は、予定通りの増税は「アベノミクスによる景気回復とデフレ脱却を阻害する可能性がある」(浜田宏一・内閣官房参与、イェール大学名誉教授)、「デフレ脱却途上では増税の刻みは小さくすべきだ」(本田悦朗・内閣官房参与、静岡県立大学教授)などと主張。増税時期の先送りや小刻みな引き上げを求めた。

(中略)

計画が先送りされた場合の財政の信認低下への危機感は強く、「消費増税に伴う景気後退リスクと、見送りによって財政の信認を損なうリスクをてんびんにかければ、後者が重い」(武田洋子・三菱総合研究所チーフエコノミスト)、「国際的な信認が失われ、株・債券などへ悪影響を与える。長期金利の冒頭が懸念され、企業活動・金融システム・財政に大きな打撃となる。将来世代へのつけがさらに拡大する」(岡本圀衛・経済同友会副代表幹事)、「政府は少しでも先送りしていると思われることをすべきでない」(吉川洋東京大学教授)など懸念表明が相次いだ。

(Newsweekjapan)

 

【経済】消費税増税は本当に実施されるのか?4〜6月期GDP速報を受け反応さまざま”で消費税増税の一つの指標となるGDPについて取り上げました。今年の4〜6月期のGDPは確かに増加していましたが、アナリストの予想を下回る数値だったことをうけて、日本経済は十分な回復基調にはないのではないか、という疑問が呈されました。

しかし、この流れですと、消費税増税そのものはほぼ確定のように思います。「いつ、何%引き上げるのか」については議論があるでしょうけれども、増税そのものはほぼ確定事項と見てよさそうです。

では、消費税増税によってもともとの目的である財政再建は可能なのでしょうか。

 

消費税新設直後は税収項目の新設に加え、当時が好景気だった(解説は後述)こともあり、税収は純粋に増加。しかしそれも失速し、2年目からは減収に。3年目以降は一般会計税収が「消費税導入時点より」少なくなる事態に陥る。

1997年の消費税税率アップ(3%から5%)により、消費税による税収は4兆円ほど上乗せされ、その後は10兆円前後の横ばいを維持する。一方、一般会計税収そのものは導入直後の1997年度はやや上向きになるが、すぐに失速。「税率アップ以降、一般会計税収がアップ時より上回る年度は皆無」の状態のまま現在に至る(2013年度時点まで継続中)。

(GabageNews“消費税と税収の関係をグラフ化してみる(2013年)(最新)”)

 

GabegeNewsさんが一般会計税収の推移をグラフ化してくださっています。グラフ中に消費税導入と消費税が5%に引き上げられた時期がそれぞれ付記されています。このグラフによると、おおまかにみて消費税導入および5%に引き上げ後、一般会計税収は減少しています。バブル崩壊やリーマンショックなどの影響で大きく景気が後退していた時期と重なっているためにそのように見える可能性もありますが、少なくとも消費税増税が一般会計税収を引き上げた印象はありません。

一方で消費税の税収そのものは5%に引き上げ後、景気の状況とは関係なくおよそ10兆円を維持しています。景気の後退によって税収全体は下がりますが、消費税に限っていえば実は景気にはほとんど左右されていません。政府にとってはこの「安定的な税収が確保できる」ことが、財政を下支えする上で非常に重要になってきます。

※よく「消費税を上げると消費が冷え込み消費税による税収は減少する」という意見がきかれますが、これまでの税収を見る限り、その反論はあたっていません。「景気が後退することにより所得税や法人税などが減少する」という反論であれば間違っていないことになります。

 

「10兆円前後の横ばいを維持」の動きを見れば分かるように、「景気動向にほとんど左右されない、安定税収源の底上げをするため」と見なして間違いは無い。特に財務省の立場で考えれば、「景気動向に関係なく入ってくる安定収入が、単純計算で今の2倍(消費税率のアップは最終的に現行の5%から2倍の10%が予定されている)になるのだから、これほど素晴らしい話は無い」ということだ。

(GabageNews“消費税と税収の関係をグラフ化してみる(2013年)(最新)”)

 

このように、景気に左右されやすい所得税や法人税よりも、安定的な税収である消費税に力点を置いた方が政府としてはうれしいのです。

 

このように考えてくると、財政安定化のためには消費税増税が重要な役割を担うことが分かってきます。ただ、それが景気全体を押し下げる効果があることも明らかであり、政権交代によってせっかく立ち上がった日本経済をふたたび押し下げることにもなりかねません。また、ここで景気後退対策のために多額の補正予算を組んでしまってはそもそもの目的である「財政再建」は達せられなくなってしまいます。

 

確かに税率を上げる方がシンプルではある。しかし、むしろ経済の活性化を促し、社会全体の利益を拡充させ、そこからの収益増を期待した方が、全体的には、そして中長期的にもプラスの面が多い。

(GabageNews“消費税と税収の関係をグラフ化してみる(2013年)(最新)”)

 

私はこの意見に賛成です。そのためにも、今後の経済政策に十分な議論を尽くしてほしいと願います。

 

 

【ニュースソース】

消費増税、7割が容認 点検会合終わる、景気対策求める声も
中国新聞

消費税「予定通り増税を」7割超 政府の点検会合終了
日本経済新聞

消費税点検会合終了 首相、秋に最終判断へ
日テレNEWS24

首相、景気・雇用見極め 消費増税判断は10月初め
日本経済新聞

減税・補正求める声 容認派も景気への影響を警戒
日本経済新聞

消費税点検会合 注文山積み
東京新聞

消費増税で有識者の7割が14年3%上げ容認、激変緩…
Newsweekjapan

消費税点検会合、分かれた賛否…首相判断に注目
読売新聞

本田氏「1%ずつ増税を」=予定通り、7割超-点検会合
時事通信

引き上げ幅の抑制提案も 消費増税点検会合が終了
中日新聞

 

 

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