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【国際】シリア化学兵器使用に関する国連調査団、日程を繰り上げ調査終了

シリア政府が首都ダマスカス近郊で化学兵器を使用し数百人が死亡したとされる問題で、国連調査団は9月初旬までとしていた調査機関を短縮、8月29日に調査を終了し、31日にシリアを退去することを明らかにしました。現地で採取された血液や髪の毛などの検体の分析を急ぐとともに、途中経過報告を潘基文(パンギムン)事務総長へなるべく早く報告を出す予定だとしています。

調査団が予定を繰り上げたことについて憶測が流れていますが、それに対し、国連のハク報道官は次のようなコメントを出しています。

 

調査団が当初予定していたほかの地域での調査を行わずに、出国する判断をした理由について、ハク報道官は「優先度が高い地域の調査結果を速やかに出すための措置で、追ってほかの地域の調査も再開するつもりだ」と説明し、欧米各国による軍事行動を懸念して、安全上の理由から国外に退去するのではないと強調しました。

(NHK)

 

しかし実際のところ、米国政府はシリアへの軍事介入に意欲的ですし、米国とともにフランスも軍事介入を行うことを示唆しています。国連の調査結果をまたず、米オバマ大統領は28日、シリアが化学兵器を使用したと断定、軍事行動を起こすかどうかについては明言を避けていますが、可能性は非常に高いでしょう。

 

ヘイグ英外相は28日、「国連安全保障理事会がシリアに対する責任を負うべき時が来た」と語っていた。これに対してロシアは、シリア政府が化学兵器を使ったという証拠はないと強調しており、決議案に対して拒否権を行使する見通しだ。中国も武力行使に反対する公算が大きい。

(CNN“「シリア政府が化学兵器使用」 オバマ米大統領が言明”)

 

CNNの報道にあるように、中国とロシアがシリアへの攻撃に反発している一方、米国とフランスは意欲的です。このようにみると、シリア情勢、とくに化学兵器使用という人道的な問題ではなく、かつての米ソ冷戦の構図のように、大国同士の対立という構図が浮き彫りになってきます。

 

内戦と呼ばれることがよくあることから、シリア国民どうしの紛争であると短絡的に考えてしまう人もいるが、実際にはシリア国外からの勢力も多い。

Wikipediaシリア騒乱”)

 

Wikipediaにあるように、地理的にシリアは中東世界とヨーロッパ世界の境に位置し、また隣国には紛争の絶えないパレスチナ(=イスラエル)があります。イスラエルを支持するアメリカにとってシリアは地政学上重要な位置づけにあり、そのため熱心に介入を支持しているものと見られます。シリア内戦のそもそもの発端がアラブの春の影響を受けて発生した民主化運動ですから、欧米諸国が積極的に介入してくるのは本来不自然なのです。そういう意味でも、米国の動きは化学兵器使用に対する非難、という人道的な動機ではなく、明確な利害対立によるものだということがなんとなく浮き彫りになってくるでしょう。

 

さて、国連調査団は事務総長の潘氏に報告を急ぐ、としています。この潘氏、先日の“【国際】国連事務総長潘基文氏の中立性を欠く発言に疑問”でも書きましたように、事務総長としての資質に非常に疑問がもたれている人物です。

 

歴史的にレベルの低い国連事務総長のなかでも際立って無能。核拡散の脅威や難民危機にも関心を示さない潘のおかげで、国連はあってもなくても関係ない存在に堕ちた

ニューズウィーク日本版“世界で最も危険な韓国人、潘基文”)

 

ニューズウィークがかつて報じたように、潘氏は核拡散や難民問題にまったく関心を示していない、としています。したがって、今回のシリアの化学兵器使用問題についても興味を示し何らかの決断をする、ということはないだろうと見られます。国連がその機能を果たしていないとなると、

 

しかしヘイグ外相は、たとえ中国とロシアが拒否権を行使したとしても、「我が国と他国には(行動を起こす)責任がある」と訴えた。

(CNN“「シリア政府が化学兵器使用」 オバマ米大統領が言明”)

 

CNNが報じている「拒否権が発動されようとも軍事行動は起こす」という強気の発言もうなづけます。

 

シリア情勢はかつての朝鮮戦争が米露の代理戦争がそうだったように、欧米各国の思惑のために使われていきそうです。

 

 

【ニュースソース】

国連のシリア調査団 最終報告急ぐ方針
NHK

シリア調査報告、数日以上かかる可能性 国連調査団
asahi.com

シリア軍事介入 国連現地調査団、現地収集のサンプル分析着手へ
FNN

国連調査団、シリアでの化学兵器使用疑惑めぐる証拠収…
Newsweekjapan

国連チームが現地調査完了 シリア出国へ
47NEWS

シリア化学兵器使用疑惑 調査団、現場近くの病院などで調査活動
FNN

国連、最後の調査=シリア化学兵器疑惑
時事通信

 

 

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