ニュースを比較してみるブログ

世にあふれるニュースを報道のされ方を比較、掘り下げていきます。国際、政治、経済を主に取り上げています。やや右寄りの傾向あり。

【国際】エジプトで夜間外出禁止令が緩和、治安回復進む

モルシ前大統領の解任にともなってモルシ支持派と反対派の対立が激化しつつあったエジプトで暫定政府から出されていた夜間外出禁止令が緩和された、とエジプト国営紙が24日に報道しました。イスラム系国民を重視する政策を行っていたモルシ氏の失脚により、暫定政府に対してイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」などによるデモが過激化していました。暫定政府支持派との間で対立が激しくなっており、連日死者が出るなど治安が著しく悪化していたため、暫定政府は主要14都市に夜間外出禁止令を発令していました。しかし、夜間外出が禁止されることで飲食店などの経営が圧迫され、国民からは不満の声があがっていました。

暫定政府はムスリム同胞団が23日に予定していた大規模デモの抑え込みに成功しています。事前に暫定政府は軍の治安部隊を全国に配置するとともに、ムスリム同胞団幹部を逮捕、著しく動員力が低下したため、数万人規模と予想されていたデモは数千人にとどまりました。その結果、大規模な衝突は回避され、治安が回復しつつある、との観測もあるようです。

 

ただ、同胞団はデモ継続を宣言しているため、暫定政権は緩和の時期や規模を慎重に見極める考えだ。

日経新聞

 

とはいえ、ムスリム同胞団はデモの継続を宣言しており、暫定政府としては慎重に判断をする必要があると考えているようです。

 

スエズ運河通行料と出稼ぎ国民による送金、観光収入を3大収入源とする同国にとって、治安悪化による観光収入激減は最大の経済打撃。成田間の直行便は停止され、渡航情報が3段階も引き揚げられた日本からの観光客はゼロ。治安確立が最優先事項になっている。それを妨害し続けてきた同胞団は今や“国民の敵”と化している。

世界日報

 

興味深いのは、このように反暫定政府デモを先導しているムスリム同胞団に対し、国民から不満の声が上がっていることです。2011年のムバラク政権打倒時も、先日のモルシ政権打倒時も、エジプト国民が求めていたのは経済的な安定でした。ムバラク政権末期は失業率が極端に高まっていましたし、モルシ政権にしてもイスラム優遇政策に偏り十分な経済対策が行われなかったため、国民からの不満が高まった結果の解任劇でした。

 

ムスリム同胞団は過去何度か、エジプトで弾圧されています。そのため、彼らにとって親イスラム派であったモルシ前大統領の就任は歓迎されるべきものでした。ところが、イスラムよりの政策はエジプトが抱えていた経済的な問題の解決にはならず、結果としてモルシ氏の解任となったのです。

 

ところが、こうした情勢の報道に対し、エジプト出身のタレント、フィフィさんが異論を唱えています。

 

米国の後ろ盾を得てエジプト軍がクーデターを強行。モルシは歴史上唯一国民投票で選ばれたと言えど、政府組織は親米ムバラク前政権派がそのまま残った状態。米国からの脱却を図りクリーンな政治を目指すモルシは彼らにとって余程都合の悪い存在だろう。反対派の民衆は前政権派に利用されたに過ぎない。

エジプト軍のクーデターに対するフィフィさん(@FIFI_Egypt)の見解

 

フィフィさんの主張は、米国依存からの脱却のためにモルシ氏が大統領となったが、それを良しとしない米国がエジプト軍を後ろから支える形でクーデターを起こした、ということのようです。その背景には米国がイスラム組織をつぶそうという思惑がある、とのこと。暫定政府がムスリム同胞団幹部を逮捕してデモを行わせないようにした、というのも米国の支援を受けてのこと、という主張です。

 

親ユダヤで中東問題に関してはイスラム派を攻撃する立場にある米国ですから、たしかにそういうこともありうるだろうな、と考えてしまいます。そのようにみるとエジプトの情勢はずいぶん変わって見えます。

 

公平な報道に努めているアルジャジーラを封じ込める狙いですね。

エジプト軍のクーデターに対するフィフィさん(@FIFI_Egypt)の見解

 

フィフィさんにこのような発言がありました。

 

アルジャジーラは自らを「公正で政治的圧力を受けない、中東で唯一の報道機関である」と謳っている。実際に英国のIndex on Censorship(検閲に関する問題を扱う雑誌。1972年創刊)では、2005年に「アラブ諸国における自由な情報交換を促進し、検閲を拒否する勇気」の一例として紹介されているし、アメリカにおいても1999年のニューヨーク・タイムズ紙に「アラブ諸国で、最も自由で最も広い観点を持つテレビネットワーク」と評されている。ただしジャスミン革命に端を発する中東諸国の騒乱では、スンニ派のリビア・シリアの反体制派を擁護する一方で、バーレーンシーア派反体制派には非擁護的な報道を行うなど、公正な報道に対して疑問を覚える視聴者も少なくない。

Wikipediaアルジャジーラ”)

 

もちろん、メディアですからその背景としている思想や文化によって偏りが出るのは当然、と個人的には考えています。ですから、アルジャジーラが必ずしも公平であるとは言い切れませんし、では西欧メディアが公平な報道を行っているかというと全くそうは思いません。とくに米国では新聞社自体が支持政党を明らかにしており、偏向があることを宣言しています。

 

ただ、フィフィさんの問題提起は「一つの事実も多面的に見ないとその真相は分からない」という点である、ということはここで強調しておきたいと思います。このブログの目的もそこにあるわけですから。

 

 

【ニュースソース】

エジプト、夜間外出禁止時間を緩和
中国国際放送

治安回復進むエジプト、夜間外出禁止令を緩和
世界日報

エジプト、夜間外出禁止令の緩和を検討
日本経済新聞

エジプト、夜間外出禁止の緩和を発表
日本経済新聞

エジプト、夜間外出禁止令を緩和
読売新聞

エジプト、夜間外出禁止を緩和
日本経済新聞

夜間外出禁止を緩和=デモ縮小も影響か-エジプト
時事通信

 

 

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