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【経済】「生活に満足」18年ぶりに7割超も「生活向上」はわずか、内閣府調査結果

内閣府は10日、6月に行った「国民生活に関する世論調査」の結果を公表、現在の生活に「満足している」「まあまあ満足している」と答えた人が前年比で3.7%増の71.0%にのぼったことがわかりました。内閣府は経済情勢の好転が国民にも浸透しはじめている、と分析。昨年12月の総選挙以降の自民党政権による経済政策が奏功しているとみています。

 

「満足」「まあ満足」を合計した満足度を調査対象の7項目別に見ると、「所得・収入」は47・9%で前年比3・7ポイント増、「資産・貯蓄」は42・5%で同5・1ポイント増だった。「食生活」「住生活」「自己啓発・能力向上」「レジャー・余暇生活」は過去最高を記録し、「自動車などの耐久消費財」も前年から上昇した。

(読売新聞)

満足度を項目別に見ると、「資産・貯蓄」で「満足」「まあ満足」の合計は前年比5.1ポイント増の42.5%、「所得・収入」では同3.7ポイント増の47.9%。ともに「不満」「やや不満」の合計を下回るものの、政権交代前の前回より改善した。「食生活」や「レジャー・余暇生活」など他の5項目でも同様の傾向が出ており、内閣府は「株価上昇や円高是正、有効求人倍率の改善など、経済情勢の好転が影響している」と分析している。

(とれまがニュース)

 

このように、満足度の各項目とも前年からポイントを伸ばしており、貯蓄や消費への意欲が高まりつつあることがうかがえます。

一方、生活の向上などに関してはまだ実感が薄いようです。

 

ただ、昨年と比べて生活が「向上している」と回答したのは4・9%にとどまった。「低下している」は16・8%、「同じようなもの」は77・8%で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果が実感できていない現状がうかがえる。

中国新聞

今後の生活の見通しについて、最も多かったのは「同じようなもの」の64.1%。「悪くなっていく」が24.7%で続いた。「良くなっていく」は8.5%だった。前回より「良くなっていく」は1.2ポイント、「悪くなっていく」は5.1ポイント、それぞれ減った。7月の参院選は安倍政権の経済政策「アベノミクス」が支持を集めたが、この数字を見る限り、生活の改善期待につながっていないようだ。

(毎日新聞)

 

このように、満足度は向上しているものの、生活の向上への実感は薄く、経済政策の効果が広く国民に浸透しているか、といわれると疑問が残る所です。

 

たしかに「満足している」と「向上している」の間には大きな違いがあります。日本の経済停滞はバブル崩壊以降、20年も続いていますから、デフレにもすっかりなじみが出てきています。それに慣れてしまえば「満足かどうか」との問いに「満足している」と答えるでしょう。

ちなみに、詳細を掲載しているメディアは少ないですが、現在の生活に「満足している」と回答した人は10.3%、前年は10.4%と0.1%減少しています。「まあ満足している」と回答した人は60.7%で前年の56.9%から3.8%増加。「満足」と「まあ満足」の言葉の意味合いにどれだけ差があるのか、ということもしっかり考える必要があるでしょう。

 

したがって、私個人としては、今回の調査結果から「経済情勢が国民の生活に良い影響を及ぼし始めている」と結論づけるのは早計と考えます。

 

 

【ニュースソース】

国民生活に関する世論調査 「現在の生活に満足」は71.0%
FNN

現在の生活「満足」71% 内閣府調査
NHK

[政治]アベノミクス効果? 生活満足度71% 18年ぶり7割台 国民生活世論調査(2013.8.10 19:44)
MSN産経ニュース

18年ぶり、「生活に満足」70%超す 内閣府の世論調査
中国新聞

収入に「満足」47%、96年以来の高水準 内閣府調査
日本経済新聞 

生活に満足感7割、過去2位の高さ…内閣府調査
読売新聞 

内閣府世論調査:現在の生活「満足」「まあ満足」は71%
毎日新聞

「生活満足」18年ぶり7割台 内閣府の国民生活調査
朝日新聞

「生活に満足」7割を回復=18年ぶり高水準―内閣府調査
とれまがニュース