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【国際】内閣府が竹島に関する世論調査を実施、韓国は「挑発行為」と抗議

内閣府は1日、韓国との領土問題で紛糾している島根県・竹島に関する世論調査の結果を発表しました。その結果、竹島の存在自体は94.5%以上が認知していますが、韓国に不法占拠されていること、竹島が日本固有の領土であることなどの認知度は60%程度にとどまりました。調査は6月20日〜30日の間に全国20歳以上の日本国籍を有する男女3000名を対象に行い、1784名から回答を得ています。

この発表をうけて韓国外務省は2日、在韓日本大使館の船越健裕公使を呼び「挑発行為」だとして抗議しました。

 

船越公使への抗議は、東北アジア局の李相徳審議官が行った。論評は「日本政府が独島に対する、でたらめな主張を続け、一部の政治指導者が傲慢な言動と誤った歴史認識を繰り返し示している」と指摘。「こうした言動は韓日関係の未来志向の発展や北東アジアの調和にも深刻な障害となる」と強調した。

(MSN産経ニュース)

船越公使への抗議は同省の東北アジア局長の代理として李相徳(イ・サンドク)審議官が実施した。論評では「日本の一部の政治指導者らがごう慢な言動と歴史認識を示していることを嘆かわしく思う」とも指摘。ナチス政権を例示して発言し、後に撤回した麻生太郎副総理財務相らを指しているとみられる。

日経新聞

 

他国の世論調査にまで抗議をする、というのは行き過ぎなのではないでしょうか。MSN産経ニュースは韓国抗議の報道をうけ、次のような記事を掲載しています。

 

韓国が日本での竹島(島根県隠岐の島町)問題に関する世論調査にまで反対し、抗議している。領土問題に関し国民の関心と理解の程度を知るための国内調査さえ認めない、許さない、というのは国際的には理解しがたいもので、韓国における“独島(竹島)反日ムード”の異様さを物語っている。

(中略)
竹島問題にかかわる韓国の反日状況は近年、日本の教科書に竹島を含む領土問題を記述することも許さないとか、日本の国会議員の入国拒否など、エスカレートの一途をたどっている。
その一方で韓国は、自ら「天然記念物」に指定した島にこれまで警備隊宿舎やヘリポート、レーダーサイト、埠(ふ)頭(とう)などあらゆる施設を設け、観光や愛国イベントなどで年間20万人を超える国民を送り込むなど、なりふり構わず実力支配を強化してきた。

(MSN産経ニュース)

 

韓国がここまで竹島に固執するのは漁業権のためのようです。中国との領土問題に揺れる尖閣諸島周辺は天然ガスなどの資源に恵まれていますが、竹島周辺にはそのような天然資源はみられません。

※ただし、一部では天然資源が豊富に埋蔵されているとの話もあるようです。ここでは以下のWikipediaの記述に準拠します。

 

竹島は険しい岩山で面積も狭く島自体から得られる利益はほとんど無いが、周囲の広大な排他的経済水域 (EEZ) の漁業権や海底資源の権利が存在する。現在この島の排他的経済水域内で石油などの海底資源は特に見つかっておらず、現在最も問題になっているのは漁業権である。竹島と周辺海域の経済価値は、1952年の日本の水産庁によれば130億円(李ライン内)、1974年の島根県漁連の算出では年間漁獲高は76億円、2010年の韓国の算出では年間11兆5,842億ウォン(約8600億円)である。

Wikipedia竹島(島根県)”)

 

そもそもなぜ竹島がここまで問題になるのでしょうか。

ことの発端は1951年署名、1952年発効のサンフランシスコ講和条約に始まります。第二次世界大戦での米国を中心とした連合国軍と日本との間の戦争状態を集結させるためになされた条約です。この条約のなかには国際的には日本領として認めることが明記されています。ところが、当時の韓国大統領だった李承晩が突如、竹島を含む水域を領海とする「李承晩ライン」を設定します。その後、警備隊の配置やヘリポート、レーダーサイトを設営するなど、武力による不法占拠を継続。日本側は毎年、韓国政府に対して「不法支配である」との抗議文書を送っていますが、領有権の主張はおさまるどころかエスカレートし続けています。

竹島の韓国による領有権主張の不当性については、過去何度も主張されています。

 

1951年に韓国政府はアメリカ政府に対して日本が全ての権利・権原および請求権を放棄する地域に竹島を明記するよう要求した。これに対してアメリカ政府は「竹島は朝鮮の一部として取り扱われたことが決してなく、1905年頃から島根県隠岐庁の管轄下にあり、この島はかつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見なせない」として韓国の要求を却下した。

Wikipedia竹島(島根県)”)

 

このように、サンフランシスコ講和条約締結直前、米国側からすでに韓国の領有権主張は却下されていますし、

 

(日本との平和条約が起草されていたとき、韓国は独島の領有を主張したが、米国は同島は日本の主権下に残り、日本が放棄する島の中に含まれないと結論づけた。米国は内密に韓国に対し、同島は日本領だとする米国の認識を通知しているが、韓国はそれを公表していない。米国は同島が日本の領土であると考えているが、紛争に干渉することは拒んでいる。我々の立場は紛争が適切に国際司法裁判所に付託されることであり、非公式に韓国に伝達している​​。)—1954年(ヴァン・フリート特命報告書抜粋)

Wikipedia竹島(島根県)”)

 

米国の匿名大使も竹島が日本の支配下にあることを直接韓国政府に伝えています。それでも韓国側は応じないため、日本が過去3度、国際司法裁判所(ICJ)に訴えを起こしていますが韓国側は拒否。ICJは紛争当事国両者の承諾がなければ審理できないため、ICJでの調停は実現していません。

その後、最近では2012年に解任間近だった李明博前大統領が竹島に上陸、国民感情に訴えるというパフォーマンスを行い支持を回復しようとしました。政権の不祥事が続き急激に低下する支持率をなんとか食い止めようとの思惑もあったと言われています。こうした大統領の過激な行動の背景には大統領解任後の悲惨な結末があるためだと見られています。

 

そう思わざるを得ない理由に、歴代の韓国大統領たちの壮絶な最後がある。ぶっちゃけほぼ無事な人がいない。本人、または家族が何がしかの不幸に遭っているのである。

NAVERまとめ“

【暗殺、投獄、死刑】悲惨すぎる韓国大統領の末路と、李明博大統領の言動の関係”)

 

このように、歴史的にみると竹島は国際的にも認められている日本領です。日本政府が「領土問題はそもそも存在していない」とするのはこのためです。それにも関わらず韓国政府が竹島の領有権を主張するのはやはり不当だといえるでしょう。ですから、日本国内で行われた世論調査にまで抗議をする、というのはいきすぎた異常な行為である、といえるのです。

 

【参考】

外務省:竹島問題の概要

AllAbout:日本と韓国、竹島問題の基礎知識

竹島問題とは何か

 

 

【ニュースソース】

韓国、竹島を巡る世論調査で日本に抗議
イランラジオ

竹島巡り初の世論調査 関心71%
NHK

韓国 竹島の世論調査に抗議
NHK

竹島が「日本固有の領土」知る人約6割 世論調査
テレビ朝日

竹島「固有領土」認知は60% 内閣府が世論調査
中国新聞

独島:「韓国が不法に占拠」63%=日本政府が初の世論調査
朝鮮日報

竹島世論調査に韓国抗議 “挑発的行為”
日テレNEWS24

韓国政府、日本の「独島世論調査」に厳重抗議…日本公使招致も
中央日報 

竹島が「日本固有の領土」と認知は6割にとどまる 内閣府調査
FNN

日本の独島世論調査 韓国政府が日本に強く抗議
朝鮮日報

韓国、日本の独島アンケート結果発表を非難
中国国際放送

竹島の世論調査 「挑発、即刻中断を」韓国外交省が抗議
朝日新聞

「竹島は不法占拠」認識は全国6割…内閣府調査
読売新聞

竹島「固有領土」認知は60% 内閣府が世論調査
47NEWS

竹島は日本の領土「知らない」4割 国が世論調査
日本経済新聞

韓国、竹島世論調査で日本に抗議
日本経済新聞

竹島世論調査に抗議=「挑発的行為」と韓国外務省
時事通信

日本が竹島の世論調査…「新たな形の挑発だ」韓国政府は厳重抗議へ
サーチナニュース

竹島領有権「知っている」6割弱=7割が関心-政府が初調査
時事通信

竹島世論調査 「韓国の不法占拠」「日本固有の領土」の認知度は6割
MSN産経ニュース

韓国与野党 日本政府の独島世論調査を強く非難
朝鮮日報

日本が「竹島」に関する特別世論調査を実施、韓国が「新たな挑発行為」―中国メディア
新華社通信ネットジャパン

韓国、竹島の世論調査に抗議 日本公使呼び「挑発行為の即時中断を」
MSN産経ニュース

韓国が竹島の世論調査に抗議、「日本は挑発行為中止を」
ロイター

竹島に関する世論調査 韓国外務省、「挑発的行動」と抗議
FNN

世論調査も認めぬ、許さぬ 竹島 韓国の“反日”ここまで
MSN産経ニュース