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【政治】参院選、自民圧勝も単独過半数ならず、共産党勢力拡大も

第23回参議院選挙の投票が21日に行われ、即日開票されました。自民党は改選議席121の過半数である65議席を獲得、公明党は11議席を獲得し、自公あわせて76議席となりました。非改選と合わせると参院242議席のうち、参議院の安定多数である135議席となり、ねじれ国会が解消されました。

一方で自民党だけでみると115議席と過半数には達していません。スムーズな法案成立には公明党の協力が必須となります。自公の政策はおおむね一致はしていますが、自民党が政策の大きな目玉として掲げている憲法改正について、公明党は改正ではなく憲法に条項を加える加憲の立場をとっています。そのため、参議院では憲法改正について議論が戦わされることになるでしょう。

その他の政党でみると、民主が17議席と大幅に議席を減らし、非改選42議席と合わせて59議席。共産党が健闘して8議席を獲得しています。第三極として前回の衆院選で話題になった維新の会、みんなの党はそれぞれ8議席を獲得しましたが、伸び悩みました。

 

安倍晋三首相は自民党本部で記者団に、選挙結果について「しっかりと結果を出していけ、決められる政治を前に進めていけと背中を押していただいた」と強調。争点となった「アベノミクス」に対し国民の信任を得たとの認識を示した。首相は強化された政権基盤の下、追加的な成長戦略を打ち出しデフレ脱却を推進する方針だ。
9月末の自民党役員任期切れに合わせて内閣改造・党役員人事に踏み切るかや、来年4月から予定通り消費税率を8%に引き上げるかが当面の焦点となる。

(時事通信)

 

今回の参院選の大きな焦点は昨年12月に与党に返り咲いた自民党が信任されるかどうか、というところでした。ふたをあけてみれば自民党の圧勝で安倍政権が発足してからおよそ半年の間の成果が認められた、とも言えます。

その一方で興味深い動きもありました。共産党が8議席を獲得。うち3議席は比例代表ではなく選挙区で獲得しています。12年ぶりなのだそうで、先月の都議会議員選挙に続いて共産党勢力が勢いを増しています。もちろん、民主はじめ野党勢力が総崩れするなかで漁父の利を得た、というところでしょうが、自民党と真っ向対立する共産党が当単独で法案を提出できる11議席を獲得した、というのは大きな変化でしょう。

また、東京選挙区で話題となった山本太郎氏が得票数4位の約66万票で当選を決めました。反原発、TPP反対など、訴えは共産党と近くなっています。ただ、共産党は過激派左翼で山本氏のバックについているとみられる中核派とは敵対関係にあるため、山本氏と共産党が接近するということはないでしょう。むしろ、今回の参院選で1議席しか獲得できなかった社民党と接近していく可能性が濃厚とみられています。社民党福島瑞穂代表は山本氏を支援している中核派とつながりがあるといわれています。今回の参院選で1議席を獲得したので、社民党は衆参あわせて5議席をもっており、政党助成金を受け取れる条件は満たすことができましたが、山本氏ひとりでは国会で大きな発言力を発揮できないことから、いずれどこかの政党に吸収されていく可能性も考えられます。

 

民主党の惨敗により、参議院の勢力図が変化しました。大方予想通りのようですが、予想よりも自民が少なく、共産党が大きくなったという印象でしょうか。いずれにせよ与党が安定多数を獲得したのは事実です。自民と公明で立場が異なる一部の法案を除いては、比較的スムーズな法案成立が可能になるでしょう。

しかし、安倍政権による国会運営にはまだいくつかの課題があります。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、第一の問題点として、一見、日本経済を牽引しているように見えるアベノミクスの「実態の乏しさ」を指摘し、エコノミストの、速ければ来年にも日本経済の成長が大きく落ち込むとの予想を報じている。
根拠は、頑固に抑圧されたままの賃金、企業による投資の鈍化傾向、政府支出の行き詰まりなどの各要素。そして、安定的な経済復興を下支えするべき多くの要素が未だ動きださないことだという。
確かに、世界的な大企業のなかには、アベノミクスの恩恵にあずかっている企業もあるが、ほとんどの小規模な、国内需要に強く依存する企業は、依然、資金繰りに苦しんでいるのが実情だ。
国内の消費も、むしろ冷え込んでいると、ユニクロの母体であるファーストリテイリングの幹部は指摘している。日本の消費者は依然「安いものを探し続けており、財布のひもは非常に固い。アベノミクスの根本的な目標であるインフレの兆候もまだ見られない」という。

(中略)

TPP、医薬品販売の規制緩和、消費税の増税。そうした「痛み」を伴う、経済の構造改革は、強力な既得権益者の嫌うものであり、自民党内を分断しかねない危険を伴うからだ。
今は「選挙」という大義のもとで結束している党内も、当選すれば、それぞれの議員がそれぞれの支持者を「代弁」する立場となる。

(ニュースフィア“参院選圧勝は、安倍首相にとって「両刃の剣」?海外紙の懸念とは”)

 

民主党から自民党に政権が移って、極端な円高の是正と株価の上昇により停滞し続けてきた日本経済が浮揚してきた感はあります。しかしそれもまだ半年、一般市民に実感としてあらわれてくるのにはまだまだ時間がかかります。今回の参院選で自民党が信任される形となったわけですが、本格的にその実が問われるのはこれからです。

また、共産党勢力が議席を伸ばしているように、バブル経済崩壊やリーマンショック以降の経済的混乱で現在の資本主義経済に疑問が呈されているのも事実です。短期的には日本経済を立て直す自民党政権が有効でしょうが、中長期的に見た場合、時代の趨勢にどう対応していくのか、非常に興味深いところです。

 

最後にひとつ。今回の参院選の投票率は52.61%と過去3番目の低さとなりました。各地で若者を対象に投票に行くようアピールをしていましたが、夏休みであることと絶好の好天であることが災いしてか、非常に低い投票率となったようです。

 

誰に投票すればわからないし、1票投じても意味ないと考えている、という声はあると予測。そういう人に対しては、投票率が下がれば社会保障給付の差が7万5千円開くという試算や、投票率が上がれば政治家はそこを狙って動くはず、という見方を紹介している。

(ニュースフィア“投票率低下で、社会保障給付の差が7万5千円開く?”)

 

として投票率がさがると社会保障費に格差が発生し、結果的に自分たちの首を絞めることになる、と朝日新聞は若者向けにメッセージを出していました。しかしそうした試算もあまり響かなかったようです。将来の7万5千円よりも今日楽しい方が良い、という考えも分からなくはありません。

ただ、疑問なのはマスコミ等のどちらかといえば既得権益者側が既得権益者に反対するであろう勢力の若者に向けてなぜ投票にいくようなメッセージを投げかけるのでしょうか。既得権益側としてはむしろ若者の投票率が下がってくれた方がありがたいはずです。

 

そう考えると、いろいろな見方ができて面白そうです。

 

 

【ニュースソース】

自民、12年ぶり比例首位 民主半減、過去最低も
スポーツニッポン

自民圧勝、ねじれ解消=アベノミクス信任-民主惨敗、維新など伸びず【13参院選】
時事通信

自公過半数、ねじれ解消…民主惨敗・維新伸びず
読売新聞

改選121議席 すべて決まる
NHK

参院選で自公が過半数獲得、ねじれ解消で問われる首相の実行力
朝日新聞

自公経済再生へ 民主立て直し迫られる
NHK

安倍自民が圧勝 衆参で与党過半数
中日新聞

自民圧勝、ねじれ解消=参院選
時事通信

参院選 自公圧勝ねじれ解消
SankeiBiz

自民大勝で衆参ねじれ解消 民主大敗
NHK

自公が過半数を獲得 衆参のねじれ解消 参院選
朝日新聞

参院選で自民圧勝、ねじれ解消 アベノミクス期待、民主惨敗
岐阜新聞

参院選 自公が過半数上回り“ねじれ解消”
日テレNEWS24

【参院選】安倍首相、1000日政権だ!ねじれ解消で“長期”視野
スポーツ報知

安倍自民 経済一点突破!自公過半数でねじれ解消
スポーツニッポン

自民65、民主17、公明11=維新・みんな・共産8-参院選議席確定【13参院選】
時事通信

参院選:自民圧勝、ねじれ解消 アベノミクスに支持 民主惨敗、改選17 共産3選挙区で議席
毎日新聞 

参院選 自公で非改選含めた過半数獲得、衆参のねじれ状態解消
FNN

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