【ビジネス】「航空会社の“LCC”と同じポジション」ウィルコムが新プラン発表
7月1日に会社更生手続きを完了したウィルコムが4日、他社のスマートフォンからでもウィルコムの「だれとでも定額」を利用できるPHSアダプターと新しい料金プランを発表しました。PHSアダプターを使うと、他社のAndroidスマートフォンを使ってウィルコムのPHS回線にアクセス、ウィルコムの料金プランで他社スマートフォンの利用できるようになる、というもの。もともと2台目需要の高かったウィルコムでしたが、今回の商品を使うことで、新しく端末を買う必要がなくなります。
だれとでも定額パスでは、他社スマホをBluetoothのヘッドセットとして子機扱いし、PHSアダプターを親機として扱う形になる。同社の説明員は「例えば法人ユーザーがBYOD(私物デバイス活用)を進めるようなシーンにも向く」と話す。会社側がPHSアダプターを貸与し、従業員が自分持ちのスマホを活用することで、通話の部分を会社持ちに切り分けることが可能になる。ただ、スマホとPHSアダプターをBluetoothで接続する際のプロファイルを新たに開発したため、プロファイルの追加が難しいiPhoneでは今のところ対応していないという。
(IT Pro)
ウィルコムは売上悪化などにより2010年に会社更生手続きを申請、同年8月にソフトバンクから取締役を迎えて経営再建を始めました。同年12月にはソフトバンクの完全子会社となり、契約者数増をねらった「だれとでも定額」などの低料金プランを続々発表、翌2011年7月には契約者数400万件を突破し順調に売上を伸ばしていきました。そして7月1日、会社更生手続きが完了、今回の新プランの発表という流れとなりました。
ソフトバンクというと6月21日の株主総会でソフトバンクグループ内での通話を無料にする提案について「やりましょう」と応じたのが記憶に新しいところと思います。現状、ソフトバンクモバイルの携帯同士には通話無料のプランが設定されていますが、イーアクセスやウィルコムとの通話無料は設定されていません。それも可能になると、ソフトバンクはグループ全体としての契約者数をさらに拡大していくことになるでしょう。
今回の発表記者会見の中で宮内謙社長は「ウィルコムは航空会社で言う“LCC”と同じポジション」と語ったそうです。これについては個人的にちょっとどうかと思う部分でもあります。というのも、LCCはたしかに低料金が魅力ですが、一方でトラブルが多く遅延や欠航が相次ぎ、国民生活センターから改善要求も出されています。
国民生活センターは4日、格安航空会社(LCC)に関する苦情相談が急増しているとして注意を呼び掛けるとともに、予約サイトの改善など事業者への要望を公表した。
同センターによると、昨年度のLCCに関する相談数は579件と前年比4倍以上。事例では、予約サイトに最終確認画面がなく、確認できないまま予約完了となった消費者が、不本意な名義変更料金や手荷物代を支払わされるケースが複数あった。(livedoor news“格安航空の苦情急増=事業者へ改善要望―国民生活センター”)
このような背景を知っていると、「たしかに安いけどトラブル続きのLCCと同じとするのはどうなの?」と思ってしまうのです。
【ニュースソース】
ウィルコム、パケット定額が月2980円~のスマホ専用プラン
ケータイ Watch
ウィルコム、「だれとでも定額」をスマホにも--パケ放題も2980円で
朝日新聞
「ローコストで価値あるものを」、ウィルコム宮内社長の戦略
ケータイ Watch
「航空会社の“LCC”と同じポジション」、ウィルコムが低料金を売りにした新商品群を発表
ITpro
ウィルコム、スマホ向け新料金「ウィルコムプランLite」など発表
マイナビニュース
ウィルコム、格安通話を他社スマホ利用者に 回線だけPHS提供
MSN産経ニュース
「ウィルコムは通信業界のLCC」 低価格で差別化、2980円のパケット定額など投入
ITmedia