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【ビジネス】大手百貨店4社が増収、“アベノミクス”効果発揮か?

大手百貨店4社が1日に発表した6月の売上高が全社そろって前年同月を上回った、とのニュース。特に大丸と松坂屋を経営するJ・フロントリテイリングは前年同月比で15.4%の増収と大きく売上を伸ばしました。売上が前年同月を上回ったのは2ヶ月連続です。

 

部門別(大丸松坂屋の主要10店計)では、婦人服が18.5%増。ワンピースを含む夏物が堅調だった。紳士服は18.0%伸びた。美術・呉服・宝飾は45.0%増だった。免税品は前年の2.5倍となった。

日経新聞

年明け以降、安倍政権の経済政策「アベノミクス」による株高などで、資金にゆとりが出る資産効果が目立ってきたが、「(生活用品の)衣料品にも消費の明るさの兆しが出始めている」(大丸松坂屋)という。

(読売新聞)

 

各紙報じているように、衣料品の他、宝飾品や呉服などの高額商品の売上も伸びています。百貨店の売上が伸び悩んでいた昨今、吸収合併や店舗の統廃合などが相次いでいましたが、いわゆる“アベノミクス”の影響でしょうか、消費意欲が高まっているとも受け取れます。

ただ、今回の売上増には経済効果の他、曜日の配置や気温、天候などの外的要因も大きかったようです。

 

日曜日が前年よりも1日多かったことも寄与した。

(MSN産経ニュース)

6月は気温上昇などの天候要因もあり、紳士ではジャケット、婦人ではワンピースなどの夏物衣料品の販売が好調だった。

(読売新聞)

東京・銀座の再開発で月末に閉店した松坂屋銀座店が売りつくしセールで大幅増となった。クリアランスセールを前年より前倒しした効果も出た。

日経新聞

 

これらの要因も売上に寄与したことから、“アベノミクス”の直接的な効果は割り引いてみる必要がありそうです。来年には消費税が8%に増税される見通しもあり、「今のうちに」という心理がはたらいている可能性も考えられます。

 

リアランスセールの販売状況を立ち上がり3日間で前年と比べると衣料品が2割超、雑貨が3割超それぞれ伸びた。ただJフロントは「需要の先食い」(広報担当者)が起きた可能性があるとして、先行きを慎重にみている。

日経新聞

 

日経が報じているように、大きく売上を伸ばしたJ・フロントリテイリングは今回の増収を慎重に見ています。来年4月に実施される見通しの消費税増税によって消費が冷え込む可能性もあり、増収したからと浮かれていては足下をすくわれてしまうでしょう。今のうちに先手を打っておくべきです。

 

一部の投資家や企業経営者からは「来年、早くて今年の秋口から日本経済はふたたび停滞するだろう」との観測も聞こえてきます。そうなっても大丈夫なような準備を、今のうちからしておきたいものです。

 

 

【ニュースソース】

大丸松坂屋百貨店/6月の百貨店事業15.4%増
流通ニュース

Jフロント、6月売上高15.4%増 11カ月連続増
日本経済新聞

6月の大手百貨店4社はそろって増収 高額品好調、中元商戦も
MSN産経ニュース

4社そろって増収=高額品、夏セール好調-6月の百貨店
時事通信

百貨店の6月売上高、2か月連続で前年上回る
読売新聞