【国際】スノーデン氏モスクワへ、エクアドルへの亡命を希望
米国国家安全保障局(NSA)が市民の個人情報を収集していたことを暴露したとして香港に潜伏していた元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が23日、香港を離れモスクワに到着したことが明らかとなりました。同日、エクアドル政府はスノーデン氏からの亡命申請をうけ、エクアドルの駐露大使がスノーデン氏に面会することを明らかとしました。
中国のスパイではないか、との疑いをかけられているスノーデン氏。米国当局はスパイ容疑で訴追しており、香港に対して身柄の引き渡しを要求していました。これに対して中国政府はスパイ容疑を否認、米国に批判を浴びせました。米中首脳会談が中国の思惑通りにいかなかったこともあり、米中間の関係に亀裂が入りかかっていた矢先の出来事であり、中国としては本件を外交カードとして扱いたかったのではないかと見る向きもありました。
同日、告発サイトのWikiLeaksは、スノーデン氏からのリクエストを受けて、同氏が民主国家に安全に亡命するために、WikiLeaksの法的知識と経験をもって支援していると発表した。
(ITmedia)
ITmediaによると、今回のモスクワ行きを支援したのは内部告発サイトのWikiLeaksだそうです。WikiLeaksは政府の機密文書などを匿名でリークしており、各国からその存在が問題視されていました。2011年には銀行口座やクレジットカードなどが封鎖され、資金難に陥ったため一時サイトを閉鎖しています。WikiLeaksは運営を全面的に寄付に頼っており、口座の封鎖は死活問題でした。その後、WikiLeaksの主催者であるジュリアン・アサンジ代表は資金集めに奔走していたようです。
そのWikiLeaksがスノーデン氏を支援しているとのこと。アサンジ氏自身、エクアドルへの亡命が受け入れられており、協力して米国との対決姿勢をより鮮明にする意図がみられます。
スノーデン氏に関する報道はNSA問題暴露以降続いており、各国の注目を集めているようです。特に米国と中国との外交問題に発展するのではないか、との見方が強くありました。私自身、中国スパイの線が濃厚なのではないかと考えていましたが、今回の亡命申請でどうやら事態は大きく変わりそうです。身柄を確保していない中国としてはスノーデン氏を外交カードとして使うのは難しいでしょう。
今後の動静が興味深いところです。
【ニュースソース】
元職員、モスクワ経由でエクアドルに亡命申請
MSN産経ニュース
スノーデン氏、モスクワ到着=エクアドルに亡命申請-香港政府、米に引き渡さず
時事通信
CIA元職員、モスクワに到着
TBS News
米政府の個人情報収集暴露 元CIA職員、エクアドルに亡命申請
FNN
PRISM告発者のスノーデン氏、WikiLeaksの協力で香港からモスクワへ
ITmedia