【国際】事前に阻止したテロ50件以上、NSA長官が情報収集の効果を主張
米国国家安全保障局(NSA)が通話記録などの市民の個人情報を秘密裏に収集していた問題で、NSAのキース・アレキサンダー長官は18日、9.11の同時多発テロ以降、情報収集プログラム「PRISM」によって阻止できたテロは50件以上にのぼる、と証言し、PRISMの有効性を主張しました。パキスタン過激派によるニューヨーク地下鉄爆破テロ計画、イエメン過激派によるニューヨーク証券取引所爆破テロ計画、デンマークの新聞社爆破テロ計画など、実際に阻止できたテロ計画を例に挙げています。
同公聴会でアレキサンダー長官は、改めて「情報収集プログラム」が合法的かつ限定的であり、プライバシーを侵害するものではないと強調するとともに、「9.11事件以降の12年間、それでも相対的に平和に暮らすことができたのは、そうした攻撃を防ぐことができなかった失敗への反省と、情報機関の『静かなる努力』のおかげ」と述べた。(地震予測検証 / 防災情報 ハザードラボ)
アレキサンダー長官は以上のように語り、プライバシーに踏み込んだ情報までは収集していないこと、9.11の反省を活かしてテロ防止活動を水面下で続けていたことを挙げています。
今回の件を受け、アメリカの新聞USAトゥデイと世論調査期間ビュー・リサーチセンターが個人情報収集の賛否について世論調査を行いました。NHKが報じるところでは、
アメリカのNSA=国家安全保障局が極秘に大量の個人情報を収集していた問題について、アメリカの新聞USAトゥデイと世論調査機関ピュー・リサーチセンターは、今月12日から16日まで全米の1500人余りの成人を対象に電話による世論調査を行いました。
それによりますと、政府がテロ対策の一環として電話の通話記録やインターネットでの個人情報を収集することを認めるかどうかたずねたところ、▽「認める」が48%、▽「認めない」が47%で、真っ二つに割れました。
個人情報の収集が実際にテロ防止に役だったと思うかどうかについては、過半数の53%が「そう思う」と答え、「そう思わない」の41%を大きく上回りました。(NHK)
となっており、賛否が拮抗しています。2001年9月11日の同時多発テロ後間もなくの世論調査では、テロ防止のためであれば個人情報収集は認める、とした市民は6割を超えており、12年たった現在でもその割合は大きく下がっていない、と見ることもできます。
うがった見方をすれば、アレキサンダー長官の証言はNSA擁護であり、事態を早々に収拾したいとの思惑がある、と見ることができます。が、事前にテロを防げた実績を鑑みると、安易にNSAの活動を批判することもできないようにも思います。
本件を暴露した、香港に潜伏中のエドワード・スノーデン氏は「国家によるプライバシー侵害」を問題視しています。その考え方も一理ある一方、仮にスノーデン氏の主張が通り今回のような情報収集プログラムが凍結された結果、テロが多発するようになったとしたら、その責任は誰が負うのでしょうか。
スノーデン氏に対しては「中国のスパイではないか」との疑いがかけられています。スノーデン氏本人ならびに中国当局はスパイ疑惑を否定していますし、香港ではスノーデン氏の身柄保護のためのデモ活動が行われました。
テロ活動を防止するか、個人情報を守るか、判断が問われます。
【ニュースソース】
情報収集で未然に防いだテロ事件は50件以上 NSA長官
地震予測検証 / 防災情報 ハザードラボ
米情報活動「NY証取所テロも防止」と証言
日テレNEWS24
「50件以上のテロを防いだ…」 米個人情報収集問題
テレビ朝日
米政府「NY証取の爆破計画阻止」 情報収集活動で
日本経済新聞
米情報活動、50件超のテロ防止=NY証取所の爆破計画も
時事通信
NY証取爆破計画などテロ50件以上を阻止 NSA局長ら証言
MSN産経ニュース
NSA長官、情報収集で阻止したテロの具体例示す
CNN Japan
米監視プログラム テロ50件余り防ぐ
SankeiBiz