ニュースを比較してみるブログ

世にあふれるニュースを報道のされ方を比較、掘り下げていきます。国際、政治、経済を主に取り上げています。やや右寄りの傾向あり。

【ビジネス】中国がEU産ワインのダンピング調査、太陽光パネル課税に報復

 中国商務省は5日、「欧州から輸入しているワインが不当な低価格で販売されている」との申請を受け、ダンピングがないかどうかの調査を始める、と発表しました。4日にEUによる中国産太陽光パネルへの反ダンピング課税に対する報復措置と見られます。

調査対象をワインにしぼった理由について、各紙つぎのように報じています。

 

EUからのワイン輸入量は昨年25万7千キロリットルと09年比で4倍に膨らんだ。うち5割超を占めるのがフランスだ。ここに中国側の今後の太陽光パネル交渉を有利に進める狙いが透ける。日経新聞

 

昨年の中国の欧州産ワイン輸入量のうち約60%はフランス産。EUの反ダンピング課税を強く支持したフランスを標的にした報復の可能性がある。(MSN産経ニュース)

 

フランス、イタリアなど南欧諸国は中国への反ダンピング課税を支持した経緯があり、反対していたドイツなど北部の欧州諸国へは大きな打撃が及ばぬよう、中国への課税を支持した南欧諸国に照準を絞った狙いが透ける。(ロイター)

 

中国のワイン輸入の過半数はフランスからなのだそうです。フランスは今回の反ダンピング課税に強い支持を示しており、ワインを標的にするということはつまりフランスを標的にする、という見方です。

 

 水面下の働きかけはすさまじかった。5月末には李克強首相が訪独、独メルケル首相から「課税回避にできるだけのことをする」との言質を引き出した。李首相は3日にも改めて「大局的な観点から話し合いをしよう」と欧州委員会に呼びかけたという。ドイツを含め、EU加盟27カ国のうち半分が課税反対に回ったとみられ、これが2カ月の暫定措置につながったとの見方が多い。日経新聞

 

 日経が報じているように、EU内でも半数は今回の課税に反対しています。特にドイツの反対意見は強いため、ドイツを切り崩すところから課税回避に向けた突破口にしようとしているようです。

 

 今回の一件が、中国がくさびとなってEU内に亀裂を生じさせることになるのでしょうか。今後の動静が気になります。

 

 

【ニュースソース】

 中国、EU産ワインに反ダンピング調査を開始
中国国際放送

中国:EUからのワイン輸入を調査-パネルへの課税発表翌日
ブルームバーグ

中国が欧州産ワインの反ダンピング調査へ
TBS News

中国、欧州ワインを不当廉売調査 太陽光パネル関税に対抗か
47NEW

中国、欧州産ワインを反ダンピング調査へ 太陽光パネル関税に対抗か
MSN産経ニュース

EU、ワインの「ダンピング」に反論
日本経済新聞

中国が欧州産ワインの不当廉売について調査、太陽光パネル関税に対抗
ロイター

中国、欧州産ワイン制裁の構え=太陽光パネル課税で対仏報復
時事通信

中国、仏標的か 欧州産ワインで反ダンピング調査 EUへの対抗措置で“神経戦”
MSN産経ニュース

中国、EUの太陽光パネル制裁課税に反発 欧州産ワインで調査
日本経済新聞

中国が欧州産ワインを不当廉売で調査、太陽光パネル関税に対抗
ロイター

中国、EU産ワインのダンピング調査へ 太陽光パネル関税に対抗
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

太陽光パネル制裁課税めぐり、中国が欧州産ワイン報復対象の意向
FNN

中国、EUワイン調査 不当廉売
東京新聞