【国際】トルコで反政府デモ続く、背景にイスラム教徒寄り政策
イスタンブールで31日に始まったトルコの反政府デモが続いています。デモ隊が政党事務所を襲撃するなどデモは日に日に過激化。長期化の懸念も高まってきました。
大規模デモが報じられたことで、トルコが進めている2020年のオリンピック招致にも影響が出るとの見方も。得るドリアン首相は市民に冷静な行動を求めるとともに、オリンピック招致については各関係機関の連携を強めています。
5月末以来、デモに参加し続けているという男子大学生(23)は、「エルドアン政権になって、政権を批判した人々が突然逮捕されたり、行方不明になる事件が発生している」と語り、「この国には正義がない」とはき捨てるように言った。女子高生(18)も「民主国家に住んでいる気がしない」と怒りをあらわにした。(読売新聞)
「私たちは当局の独裁に対して戦っているの!独裁に対する戦争よ!」(デモの参加者)(TBS)
デモ参加者:「この10年間、すべてに不満があるのよ。彼らは私たちの自由、トルコの人権をすべて踏みにじってきた」(テレ朝News)
各紙が報じているように、このデモの背景にはエルドリアン首相の独裁的な政策があるものとみられます。
“なぜトルコで大規模反政府デモが起きたのか?”と題するNewSpereの記事によると、
トルコでは、エルドアン首相が政権を握って以来、徐々に「偏り」が進んできたと同紙は分析している。西と東の中間に位置し、ゆるやかな許容によって維持されてきた風土が、多数派のイスラム教徒という支持基盤を頼む同首相によって、次第に排他的な政策に傾いていったという。具体的には、アルコールの販売禁止や、シリア内戦に対する政府の強硬姿勢、独立的なメディア組織の解体などだ。
(中略)
その影響をもっとも顕著に受けたのが、トルコ最大の都市イスタンブールだったという。
「経済発展」の旗印の下で、モスク以外、歴史的な建造物も、文化・娯楽施設も、環境も、次々に蹂躙され、もはや以前の「古都」の面影はないと、イスタンブールで生まれ育った識者は嘆いている。(NewSpere)
イスラム教徒よりの政策が、もともと多様な文化を受け入れることで発展してきたトルコの文化を破壊している、と国民感情を害したのが発端のようでした、デモが大規模化、過激化していくなかで、それが次第に「独裁者打倒」という旗印にすり替わっていったように見えます。
トルコは西にヨーロッパ、東にロシアとアジア、南に中東とさまざまな文化が行き交う中継地点として発達してきました。もともと特定の文化を保護する政策は風土になじまなかった、ということでしょうか。
【ニュースソース】
イスタンブール市長「五輪招致に悪影響出るかも」
TBS News
トルコ大規模反政府デモ 背景に政権によるイスラム化への懸念
FNN
トルコ、反政府デモ長期化懸念 「強権的」首相に反発
日本経済新聞
トルコ反政府デモ、3日目に突入 国内各地に広がる
CNN Japan
首相、国民に「冷静」訴える=デモ、現政権後最大規模に-トルコ
時事通信
エルドアン首相「トルコの春」を否定、反政府デモは4日目に
AFPBB News
トルコで反政府デモ続く 数万人規模の集会
テレビ朝日
トルコ全土にデモ拡大、首相が冷静な行動呼びかけ
TBS News