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【社会】「福島第一原発事故、健康への影響ない」国連が調査結果を発表

東日本大震災にともなう福島第一原発の爆発事故を受け、国連科学技術委員会は31日、「がん患者の増加は考えられない」とする調査結果を発表しました。調査結果によると、がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルトを下回っており、福島県内の子供で事故後に見つかっている甲状腺がんは「被曝とは無関係」と推定しています。

 

1986年に起きた旧ソ連チェルノブイリ原発事故では避難者の甲状腺での被曝線量は最大5000ミリシーベルトに達し、事故後に周辺地域で子供の甲状腺がんの発生率が高まった。報告書は、福島原発の周辺住民の被曝線量は少なく「チェルノブイリとは異なる」とした。日経新聞

 

日経新聞は以上のように書き、甚大な被害をもたらしたチェルノブイリ原発事故とは状況が大きく異なる、としています。しかし、これらの記事をよく読むと分かる通り、この調査結果はどうやら「事故後、比較的短期間の放射線の影響」を調査したものであり、日経新聞が次の段で書いているように

 

福島第1原発事故を巡っては、世界保健機関(WHO)も今年2月、がんの増加が確認される可能性は低いとする報告書をまとめた。ただ、被曝に伴う中長期的な健康への影響については症例が少なくデータが不足し、専門家の間でも意見は分かれている。日経新聞

 

中長期的な影響は「まだ分からない」としています。この記事を批判されている方の多くは「国連が放射線による健康被害はまったくない、と発表した」というように読んでいるようですが、それは誤読です。これは日経新聞以外、上記のWHO報告との関連性を述べていないからだろうと思います。

 

さて、ここでひとつ疑問です、

「国連の発表だから間違いない」と受け取って良いものでしょうか?

5月24日に【社会】「国連が日本政府に慰安婦へのヘイトスピーチ改善要請」は朝日新聞の捏造?という記事で取り上げましたが、国連といえどもある特定の集団の利益を代表するものです。慰安婦へのヘイトスピーチ問題に関しては、この発表を行った委員長は韓国の人物で「公平性に欠く」と国連内部からも批判が上がっています。今回、調査結果を発表した国連科学技術委員会はIAEAとのつながりが示唆されており、じゅうぶん公正な判断をくだしているか、についてまったく疑問がないわけではありません。

 

 

 

【ニュースソース】

福島でがん増加「考えられない」 原発事故受け国連科学委調査
47NEWS

被ばく量最大10分1に=「迅速な避難」と評価-福島原発事故で国連科学委
時事通信

福島の住民被曝「健康に影響ない」 国連が報告書
日本経済新聞

福島第1原発事故で「これまでに健康への影響ない」 国連科学委
FNN

東日本大震災:福島第1原発事故 国連科学委、発がん危険性を否定 被ばく調査結果を発表
毎日新聞

「健康への影響ない」=福島原発事故で国連科学委
ニコニコニュース