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【社会】文科省、脱体罰で部活動指導ガイドライン策定

このブログでも一度取り上げた、部活動指導のガイドライン策定のニュース。5月11日段階で文科省からガイドライン案が示されており、文科省の有識者会議が27日、ガイドラインの最終案を議論しました。ガイドラインは6月中に冊子にまとめ、全国の国公私立中学・高校や都道府県教委などに配布する予定です。

 

ガイドラインの内容については、各紙をつなげると以下のようになりそうです。

 

部活動を学校教育の一環と強調。技能上達だけでなく、体力向上や責任感、連帯感を育てる意義もあるとした。勝利を目指すことや記録への挑戦は「自然なこと」と容認するが、勝利だけを目的に体罰を含む厳しい指導をすることや、子どもと信頼関係があれば何をやっても許されるとの意識は決して認められないと断じた。中国新聞

 

部活動の指導を顧問に任せきりにせず、校長のリーダーシップの下で運営方針などを作成するよう要請。顧問は「一方的な方針により活動せず、生徒の部活動への多様なニーズや意見を把握し、生徒の主体性を尊重する必要がある」とした。日経新聞

 

部活動について、「勝利を目指すことは自然なことであり、それを学校が支援すること自体が問題とされるものではない」とする一方で、「勝つことのみを重視し、過重な練習を強いることがないよう、バランスの取れた指導が求められる」としています。(NHK)

 

具体的には、殴る、蹴る▽社会通念、医科学に基づいた健康管理、安全確保の点から認めがたい肉体的・精神的負荷▽脅し、威圧、嫌がらせなどのパワーハラスメントセクシュアルハラスメントの言動▽身体や容姿、人格を否定する発言▽指導者の独善的目的のための執拗(しつよう)・過度な肉体的・精神的負荷−−を伴う指導を「許されない体罰」と定義し、先輩から後輩への暴力防止にも注意を払うように求めた。(毎日新聞)

 

一方、「柔道の初心者に受け身を反復させる」「バレーボールで、技能向上のため反復してレシーブさせる」などの指導や、暴力行為をする生徒の体を押さえることは認められるとした。中国新聞

 

つまり、「勝つことを目指すのは指導上結構だが、勝つことのみに執着して過度の身体的・精神的負担を強要するのはダメ。科学的根拠のない根性論による指導はしてはならない。ただし、技能向上を目的とした反復練習は指導として認められる」といったところでしょうか。

プロスポーツの世界、特に陸上競技や水泳などの個人競技は科学的な根拠のあるフィジカルトレーニングとメンタルトレーニングを組み合わせるのが一般的です。勝つことが目的であるプロスポーツでさえそうなのですから、身体的・精神的に未発達な中高生に過剰な「指導」を行うのはかえって将来の芽をつぶしてしまうことになりかねません。

 

 

【ニュースソース】

勝利至上の部活指導否定 文科省が指針、体罰の具体例も明示
中国新聞

「無意味な正座」は体罰=部活動指導ガイドライン策定-文科省
時事通信

部活の「勝利至上主義」を否定 文科省が指導指針
日本経済新聞

学校の運動部活動における指導と体罰の区別示した指針 文科省
FNN

部活動指導でガイドライン
NHK

文科省、運動部の部活動指導ガイドラインを策定
毎日放送

文科省が部活動ガイドライン 指導例示す
日テレNEWS24

文科省:水無し長距離走はダメ 脱体罰で部活動指針
毎日新聞

部活の勝利至上主義ダメ…指導・体罰の区別指針
読売新聞

部活動で“指導”と“体罰”ガイドライン 文科省
テレビ朝日