【ビジネス】日本原電、電力販売ゼロも10億円の黒字
日本原電が24日、2013年3月期の連結決算を発表しました。売上高は前の期比4.3%増の1524億円、営業利益が前の期比89.5%減の9億円となりました。保有する原発はすべて停止中ですが、原発の保守費用や人件費といった固定費を電力会社から「基本料金」として受け取る仕組みがあるためです。
電気の販売先の東京電力や関西電力など5電力から、原発の保守費用や人件費といった固定費を「基本料金」として1510億円受け取った。合理化効果もあり、売電しなくても利益を確保した。ただ最終損益は税負担が重かったことなどから5億円の赤字(前の期は128億円の赤字)となった。(日経新聞)
このニュース、単純に読むと批判が噴出しそうです。「発電する会社が発電してないのになんで利益がでるの!?」と見えてしまうからです。そのまま受け取ると「働いてないのに給料が出ている状態」のように見えてしまいます。実際、そういった批判もTwitterなどではみられます。
しかし、よくよく考えてみるとその批判はおかしいことに気づきます。わたしたちが日々使っている水や電気やガス、固定電話、携帯電話といったものにはすべて基本料金があります。それらは設備の維持や人材確保のために使われます。もし基本料金をなしにして使用量だけから固定費と利益をまかなおうと思ったら、使用料金の単価が大幅に上昇するでしょう。
わたしたちが日々購入している商品の値段は固定費を吸収できるくらいの値段に設定されています。だから、たとえば原価を考えるとおそろしく安いものでも、固定費を考えるとそれだけ「乗せる」必要があるのです。
もちろん、原電が設定している「基本料金」が高いか安いかは議論の余地があるでしょう。けれども、原電が「基本料金」を受け取っていることそのものを批判するのはどこかおかしいと思うのです。
【ニュースソース】
原電:発電ゼロでも売上増 東電など「基本料金」支払い
毎日新聞
日本原電 全原発停止でも単体で黒字確保(東京都)
日テレNEWS24
日本原電、販売電力量「ゼロ」でも経常黒字確保
TBS News
日本原電の前3月期、発電ゼロでも売上高増加 大手電力の「基本料金」支払いで
MSN産経ニュース
日本原電、営業益89%減 13年3月期、発電ゼロ
日本経済新聞
原電、電力販売ゼロでも黒字 「基本料金」が下支え
SankeiBiz