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【ビジネス】米政府がシェールガスの対日輸出を認可

米エネルギー省は17日、自由貿易協定(FTA)を締結していない日本などへの液化天然ガス(LNG)の輸出を認可した、と発表しました。その背景には、「シェールガス」の増産による天然ガスの価格急落があります。

シェールガスとは、堅い岩盤(シェール)に閉じ込められた天然ガスで、従来技術では採掘が難しいものでした。昨今の技術革新により、ようやく採算のとれる技術となってきており、新たな天然資源として注目を浴びています。従来採掘できなかった資源が採掘できるようになった、とあって「シェールガス革命」とまで呼ばれています。

 

原発停止と電力不足に悩む日本側としてはただちにLNGを輸入できるわけではないが、潤沢な埋蔵量を誇る同盟国である米からの輸入許可を手にすることで中東など他国との価格交渉力が強まる。天然ガスの調達源を多様化できエネルギー安全保障の強化にもつながる。日経新聞

 

とあるように、資源の輸入先が増える、ということは単に資源の安定供給につながるだけでなく、価格交渉力にも影響してきます。シェールガスを輸入できるようになることで、産油国に対する外交カードをひとつ手に入れた、と見ることもできるでしょう。

 

このような事情もあって、シェールガス関連株が上昇しています。私のところにも「シェールガス関連の投資信託に投資しませんか?」という誘いがきました。が、ひとつ懸念事項があるため、見送っています。

 

シェールガス関連銘柄に投資する際、投資家が知っておくべきこと

 

こちらの記事にはこのように記載されています。

 

シェールの生産の問題点はホリゾンタル・ドリリングやフラッキングを実施するためには何度も縦鉱をセメントで固め、ドリルを交換し、パーフィング・ガンを降ろし、特殊液を注入し、それを汲み出すなど、とかく手間がかかるという点です。そのステップのひとつでも横着をして省略すると、効率良く生産できないのです。手間のかかる、ハイ・メンテナンスなガス田だと言って良いでしょう。その結果、操業コストはどうしても高くなってしまいます。
また「喰い散らかし」された残り物の天然ガス田を開発するわけですから、それぞれの鉱区のスケールは小さいです。つまり折角、上に書いたように手間暇かけて生産しても、すぐに枯渇するということです。

 

つまり、シェールガスはそもそも本当にそんなに潤沢にあるものなのか?採算に合うといっているが、本当にそうなのか?という点にまだまだ疑問が残る、ということです。

 

また、

 

ラルフ・イーズ三世は石油・天然ガス・電力関連では凄腕のバンカーとして有名で、外国の大手石油会社や商社を上手く言いくるめて乗せるのが上手いことで知られています。それらの、米国の事情をよくわきまえない外国の投資家が大挙して米国のシェール業界に過剰投資したのが「ありえない安値」まで米国の天然ガス価格が下がった原因なのです。

 

とあるように、現在のLNG価格急落は技術革新によるものではなく、「投資家がお金を投資しすぎてお金が余ってしまっているから」という事情もあるようです。

このような視点からみると、今回の認可は今後、日本側の足かせになる可能性もどうやらありそうです。

 

 

【ニュースソース】

シェールガス革命がもたらすもの
財経新聞

米 天然ガスの日本向け輸出を認可
NHK

米エネルギー省長官にMIT教授、米上院が承認
MSN産経ニュース

米、日本への液化天然ガス輸出を許可 中部電など購入権
朝日新聞

モニツ・エネルギー長官を承認=ガス対日輸出に弾み-米上院
時事通信

米、LNG対日輸出を認可=ロイター報道
時事通信

シェールガス対日輸出決断へ 米エネ長官にモニツ氏承認
日本経済新聞

日本への天然ガス輸出を解禁…米エネルギー省発表
読売新聞

米政府、シェールガスの対日輸出解禁
TBS News

天然ガス対日輸出を解禁 米エネルギー省が発表
日本経済新聞

米、対日天然ガス輸出を認可 安価なシェールガス日本へ
中国新聞

シェールガス、対日輸出を認可=中部電、大ガスが参画-米政府
時事通信

シェールガスを日本へ…米が輸出計画初認可
日テレNEWS24

米フリーポート事業、天然ガス輸出の認可得る-大阪ガス参画
ブルームバーグ

米政府がLNG輸出解禁、シェールガスブーム後で初の認可案件
ロイター